ユーロという名のドイツのシステム
最近、読んで感銘を受けた、いわゆるオススメ本です。
内容は、エマニュエル・トッドさんのインタビュー記事集。
特に1番目に出てくる「ドイツがヨーロッパ大陸を牛耳る」は、必読です。
ギリシャが悪者にされがちな昨今のユーロ問題ですが、実は、ユーロというシステム、ギリシャを批判しまくっているドイツが最も利権を得ているということが浮かび上がってきます。
考えてみると、製造立国ドイツにとって、ユーロは自分より経済力の低い国の集合体なので、
高いマルクで商売するよりお得
なのです。ものすごく都合が良い。
とするなら、ドイツは少々のことでは
絶対ユーロを潰さない
でしょう。もちろん、ぶつぶつ文句を言うことも絶対忘れずに(^^;))
また、この本を読んでると、
- 冷戦終了後、ドイツは、すぐ近所にある高い教育を受けた東欧諸国の安い労働力を使うことができた。
- 東欧諸国は、ロシアに対する反発心が強く、半分は西側諸国の一員でもあったドイツには有利。
- ついでに安い労働力の代表格、中国ともうまくやってきた。
などの点もドイツの成長システムの重要なファクターであることがわかります、
とは言っても、安い労働力をちゃっかり使い続ける作戦は長続きはしません。東欧にせよ中国にせよ、国の成長にともなって、賃金は上がっていきます。
最近の流行語?インダストリアル4.0も、安い労働力を活用する経済システムがうまくいかなくなった時に備えた製造立国としてのドイツの競争戦略です。
それと関係するかどうかはわかりませんが、製造立国のライバルである日本はインダストリアル4.0の仲間には入れてもらえてなかったりします(^^;)。
ドイツを製造立国日本のライバルとするなら、ユーロ崩壊は、必ずしも日本にとってネガティブではないのかもしれませんね。
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ところで、最近よくネットで見かける、「ギリシャ人の一日」(ここから探してみてくださいませ)。
ネットでは「だから、ギリシャはダメなんだ」的な言われ方が多いですが、このような意見にも、私は、少々違和感を持っていました。
私の感想は、
- なんて人間的で理想的な生活なんだ!
です。
経済的合理性さえ成り立てばいいのです。
- アーリーリタイヤ時の目標の一つにしたい!
そんな一日です。
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