『私の履歴書』に出た企業
山崎元さんです。
岡三証券のシニア・クオンツアナリスト栗田昌孝さんが発表したレポートによると、なんと、
- 日本経済新聞の「私の履歴書」に経営者が出ると2年後にその会社のROEが低下する。
と言うのです。これはすごい発見(笑)。こういうアノマリーは、わりと好きです。
栗田氏はこの現象を「『私の履歴書』の呪い」と名付けた。
そうです。こういうネーミングもわりと好きです。
山崎さんは、いろいろな視点から分析されているのですが、気になったのはこの一文。
今後、各社が気をつけるべきは、設備投資に加えて、M&Aだろう。短期間でシェアを買うことができるし、成功すればいかにも経営者の手柄に見えやすい。しかし、買収は高値で行いがちだし(ちなみに買収競争の勝者が高値で買ってその後に苦労する現象は「勝者の呪い」と呼ばれている)、買収した企業の経営は簡単ではない。
鋭いなー。
株主様のために成長を目指す企業は、グローバル水準にふさわしい収益力向上をめざし、収益性の低い事業を売って、勝負どころの事業に集中したり、高成長とみんなが期待している新分野に参入しようとしたりします。
まあ、景気が悪いときは、安定した収益源も重要という経営者も多くなったりするので、時と場合によりにけりではあります。
インデックス投資家が好きな考え方の一つに、負けるものあれば勝つものあり、というのがあります。
とすると、私の履歴書に取り上げられない企業はがんばっていたのかもしれません。
でないと、昨今の株価の上昇は説明つきませんからね。
そういう意味で、玉石混こう投資のインデックス投資家としては長期的に見れば大丈夫な気もしますが、時価総額の大きな企業が影響受けると痛いですね(^^;)。
永遠に続くアノマリーはないはずなので、いつかこの呪いが消えることを祈りたいものであります。
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