景気の山(または谷)はどのくらいの周期でやってくるのか?
景気循環って調べてみると出てくるのが、有名な次の4つの波。
- キチン循環(在庫変動による循環:40ヶ月周期)
- ジュグラー循環(設備投資による循環:10年周期)
- クズネッツの波(建設需要の波:20年周期)
- コンドラチェフの波(技術革新の波:50年周期)
どいつもこいつも覚えにくいカタカナ文字の名前なのが特徴です(^^;)
ところで、これらを合成すると一体全体、何年に一回、景気の山(または谷)が訪れるのでしょうか?
このうち、キチンの波は、短かすぎるという感じがするので、残りの3つで考えてみます。
ある100年を想定して考えてみましょう。
- ジュグラー循環は、100年に10回
- クズネッツの波は、100年に5回
- コンドラチェフの波は、100年に2回
都合、100年に17回景気の山(または谷)が訪れることになります。
つまり、100÷17=5.9年に1回、景気の山(または谷)が訪れる計算になります。
もちろん、それぞれの周期が正確に10年とか20年になるわけないので、同時に訪れたりするかもしれませんね。
それにしても、約6年。けっこう短いような長いような。
いかがですか、思い当たる節はありますでしょうか?
えっ、この20年くらいずっと景気の谷だったんじゃないかって?(^^;)
コメント
>いかがですか、思い当たる節はありますでしょうか?
>えっ、この20年くらいずっと景気の谷だったんじゃないかって?(^^;)
感覚的に、過去20年くらい景気の谷として「失われた20年」と評せられたりしても、データやセオリーからはそんな単純なお話ではない、という事実はともかく・・・これらカタカナ表記よりも、
キチン→在庫
ジュグラー→設備投資
クズネッツ→建設
コンドラチェフ→技術革新
と読み替えたほうが分かりやすいでしょうし、実用的です。
この中で相場のアノマリーとして最も価値があるのは、在庫(キチン)循環で、景気回復に基づく本格上げ相場はこの周期で起こるといわれるわけです。
いわゆるアベノミクスは、これを官製で演出しようとしているわけですが・・・その成否は、せいぜい2年半~3年半後、少なくとも1年半後くらいに判明することになります。
投稿: キセン | 2013年8月20日 (火) 23時31分
株式投資で通常マーケットタイミングに使われるのはキチンサイクルですよね。景気が後退し、生産調整が始まり、設備投資が減少、金利が低下したあたりが株の買い時なわけですが、底値と思ったらもっと下がったり、もっと下がると思ったら急騰したりとなかなかマーケットタイミングをピタリと当てるのは難しいですね。ただ、金融が緩和せずに景気が回復に転じたり、金融が引き締まらずに景気が後退することは考えにくく、そういう意味で、ある程度の目安をつけることは実はそれほど難しくないと思います。
投稿: dell | 2013年8月21日 (水) 23時22分
大きなお世話ついでに・・・
>景気が後退し、生産調整が始まり、設備投資が減少・・・
キチンサイクルでいう景気が後退する過程では、生産調整はあっても、設備投資の減少はありません。むしろ設備過剰となる。
設備投資は、プラン→ファイナンシング→コンストラクション→プロダクション、とキチンサイクルの埒外だからです。ですから、キチンサイクル判断で設備投資を要素とするのは不要むしろ有害で、設備投資の循環は別スパンで考慮する所以です。
この循環を指摘したのがジュグラーで、それを体系化し定義付けたのがシュンペーターだったというわけです。
非常に細こう御座いました・・・。
投稿: キセン | 2013年8月22日 (木) 01時08分