語られ始めた「日本の失われた20年はウソ」という真実
Forbesさんの記事です。日経さんのご紹介。
この論理は、ちょっと前からあったような気がしますが、私の感覚とはあっている気がしてます。
それは、こんな感覚。
- バブル崩壊後、日本の株価と不動産は下がりまくった。
- しかし、科学の進歩のおかげで夢のような機械ができるは、デフレのおかげなのか、良いものが安く買えるようになって、日本人の生活水準は上がったような気がする。(NightWalker 比)
この記事には、
日本政府の高官は、弱い日本経済というイメージが、日本市場の閉鎖性に対する米国政府の懸念を和らげるのにきわめて効果的であることに気がついた。
日本企業の著名な経営者も、こうした不安をあおった。トップがこのような発言をする企業は、苦境に陥っていると思われがちだが、実際には1998年当時、ソニーもトヨタも国内外で絶好調だった。
という鋭いご指摘があります。
つまり、弱いということにしておけば、米国も労働者も、何をやっても責めて来ないだろうという訳です。
うーん、かしこい。。。
投資の世界でも、みんながダメだといっているときは、「買い」。みんなが絶好調といっているときは、「売り」なわけで、やはり、自分自身の心眼で世の中を見るということが重要なんですね。
そして、心眼がしょっちゅう曇ってしまって困る私は、今日もインデックスファンドを買うのです。
コメント
株価は必ずしも適正な経済統計を表していないということでしょうかね。
日本株は平均してはよいパフォーマンスではありませんでしたが、反面日本債券は絶好調でしたし(定期預金に入れるだけで10年で数十パーセント殖やせましたし・・)
投稿: 預金王 | 2013年8月31日 (土) 00時14分
預金王様
コメントありがとうございます。
今思えば、デフレ環境野中で、夢のような金利でした。経済は、株+債券でみないといけないですね、
投稿: Nightwalker | 2013年8月31日 (土) 00時53分
>株価は必ずしも適正な経済統計を表していない
僭越ながら・・・適正とまではいえなくとも、株価と名目GDPとは相関関係が御座います。
講学上「株価とGDPの関係」という論点ではありますが、理論的には当然のことでして、株価とは企業が将来的に稼ぐキャッシュフローの現在価値であり、名目GDPが我が国国内の総体的な付加価値であると同時にこの付加価値はまさに現在の付加価値ですから、長期的に株価の上昇率と名目GDP成長率とは近似します。
実際、いわゆる「失われた20年」の間、長期的には株価も名目GDPも比較的右肩下がりの傾向がありますから、データ上もそれなりに実証されているわけです。
それはともかく・・・該コラムについてですが、若干推論(妄想)の飛躍があるのではないでしょうか。
なるほど、この10年程度を見れば、我が国の1人当たり実質GDP成長率は、米国、ユーロ圏並ですし、労働力人口1人当たり実質GDP成長率に至ってはドイツと双璧にあります。
しかしながら、そのような事実を隠ぺいしてまで我が国の政府のトップや経済界があえて「弱い日本経済」を演じていたというのは、些か妄想の域を超えないように思います。税収や労賃総額などが減少し続けその反面国の借金が未曾有に累積し続け、国全体として経済が閉塞していたのは事実ですから。
問題は、該コラム内でも指摘されているように、人口減少、特に労働力人口の減少と超高齢化という最も予見可能な将来的な事実を看過して、この20年近くの間苦労せずともパイが増え続けた人口増加時代の制度や産業構造を無理やり温存し続けようとするムードが全体として漂っている、今後も続きそうなムードがあるということだと思います。
そういう意味では、やはり「失われた20年」だったし、今後も我々は「全体として」失い続けるのだろうと思う次第です。
投稿: キセン | 2013年8月31日 (土) 05時55分
>今後も我々は「全体として」失い続けるのだろうと思う次第です。
仮に失われるとしても、逆に日本の株価は上昇していくかもしれません。
米国やEUとて高齢化は進展していきますが、市場はこれに追従するかどうかもわからないですし(株価はそれなりに高値)。
要は世界の金の流れによって(株価は)決まるわけです。
蛇足ながら日本国債はバカみたいに信認が厚いというわけです(長期金利0.72%)
投稿: 預金王 | 2013年8月31日 (土) 13時25分
>仮に失われるとしても、逆に日本の株価は上昇していくかもしれません。
米国やEUとて高齢化は進展していきますが、市場はこれに追従するかどうかもわからないですし(株価はそれなりに高値)。
要は世界の金の流れによって(株価は)決まるわけです。
⇒そのマネーの流れはどのように決まるのか・・・目先は需給関係、長期的にはファンダメンタルズ云々と講学上言説されていますが、その是非はともかく、世界のマネーの流れで決まるというのは、金融市場とはそもそもそういうものですから、同語反復でして、何の説明にもなっていません。
>蛇足ながら日本国債はバカみたいに信認が厚いというわけです(長期金利0.72%)
⇒貴殿の見識がどういうわけかは知りませんが・・・バカみたいに日銀が7割も買い漁れば、バカみたいに長期金利が低下してよいのですが、目論み通り今後インタゲ2%を達成すれば、論理上長期金利は上昇しなければならない・・・目先、理論的に矛盾した手段で矛盾した効果を上げていますが、この先約半年から1年半後、長期金利が低位に安定するのかどうか・・・ディマンドプルならばよいのですが・・・行くも地獄退くも地獄の金融政策だと思います。
この先が楽しみですね。
投稿: キセン | 2013年8月31日 (土) 16時32分
本当にお楽しみになればいいのですが、金利停滞(最強の日本国債というアセット)状態が続くような気がします(残念ながら・・)。
変動国債を資産の大半に組み入れてきているので、個人的には長期金利3%くらいまで大暴落してくれることを願っています(住宅ローン破産者が多発するかもしれませんが、その時にはハゲタカの如く現金にて不動産も所有したいと思っています)
投稿: 預金王 | 2013年8月31日 (土) 17時18分
日本の「失われた20年」は、要するに「バブル潰し」と羹にこりて膾を吹いた日銀の金融政策の誤りによるものですから、それが訂正されている現在、株価が上昇に向かうのは必然かと思われます。もっとも、消費増税至上主義でリフレを妨害する財務省という「抵抗勢力」が存在しますから、この先の道が必ずしも平坦かどうかは微妙ではありますが・・・。
投稿: dell | 2013年8月31日 (土) 23時43分
>個人的には長期金利3%くらいまで大暴落してくれることを願っています・・・
中目黒・・・比較的人気(ひとけ)が少ないのではと思いました。月末、夏休み最終日だからでしょうか・・・それはともかく、長期金利が3%まで上昇すると、単年度の利払い費が17.4兆円と、現在の1.76倍膨張するわけです。
仮に99年度のように5%まで上昇すると、29兆円、現在の約4倍まで膨張します。
ちなみに、消費増税5%で約4%コアコアCPIが上昇するとの試算ですが、これにインタゲ2%をプラスすると、合計6%の物価上昇が見込める。
この場合、長期金利は、6.5%から7.5%の上昇が見込めるわけです・・・このような近未来を、個人的には全く楽観していません。
なお、黒田さん固有の指標であるBEIは、黒田さん日銀総裁就任当時に「行ってこい」となり、現在のところ、異次元緩和の効果は認められないというのが、個人的な感想です(リフレ派は、この指標が上昇傾向になるには、今後半年から1年半くらいのタイムラグが必要ということ。コストプッシュであっても物価上昇の予想ならばそうなることが見込めますが、個人的には、BEIはその流動性の低さから全く見るべきものだとは思っておりません。)。
投稿: キセン | 2013年9月 1日 (日) 00時47分
長期金利が上がると国債価格は下がるので、利払いそんなに増えません。新規がそのまま利払いが必要になるだけです。
投稿: ykoh1 | 2013年9月 1日 (日) 02時28分
>長期金利が上がると国債価格は下がるので、利払いそんなに増えません。新規がそのまま利払いが必要になるだけです。新規がそのまま利払いが必要になるだけです。
⇒僭越ながら・・・今後公債残高が減る見込みがない、少なくとも当局が漸進的に減らす努力をする気がないようですから、仮に金利が低位安定していても利払い費は増えるはず、と考えるのが常識的な知見ではないでしょうか。
近年は(黒田日銀総裁就任以前までは)公債発行が拡大し続けても金利が低く抑えられていたので、利払い費の急増も膨張もなかったわけです(http://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/condition/005.htm)。
その上、現在人為的に2%インフレを目指して邁進中、また消費増税で物価上昇は必至ですから、そのような物価上昇で金利が上昇し始めれば、なおさら利払い費は膨張します。
投稿: キセン | 2013年9月 1日 (日) 14時32分