« 09年度予算案、衆院を通過 年度内成立が確定 | トップページ | 日本株式と外国株式の比率 2009 »

2009年3月 1日 (日)

CPIと日経平均の比較 1970-2009/1

 CPI(全体)と日経平均を比較してみました。

 CPIは、統計局さんのデータです。(こちら) お世話になります。

 結果はびっくりというかがっかりというかやっぱりというか・・・・

20090301

 日本株のリスク・プレミアムについて、改めて考えさせられる状況に至っていますね。

 日本経済のリスク・プレミアム―「見えざるリターン」を長期データから読み解く では、p151~152で

株式投資が投資家の関心を呼べなかったのは、投資家がリスク回避的だからではなく、リスクを取る投資家に満足なリターン(リスク・プレミアム)を供給できないサプライ・サイド側に構造的な原因があったのだ

 とし、その原因の一つとして

株主に帰属すべき利益の一部を高い法人税というかたちで政府が吸い取っていたことにある。

 ことをご指摘されています。法人税の適正税率がどの程度かは私にはわかりませんが(^^;)

|
follow us in feedly にほんブログ村 株ブログ 投資信託へ にほんブログ村 投資ブログ 投資でセミリタイア生活へ

« 09年度予算案、衆院を通過 年度内成立が確定 | トップページ | 日本株式と外国株式の比率 2009 »

コメント

ご紹介の書籍を読んだことがないので詳細についてはわかりません。記事の内容を元にコメントします。

長期データとして1970年以降のデータで検証されているのは正しいです。理由は、資産のリターンを比較するには現在の金融制度、すなわち金本位制が廃止された1971年以降の数字を使用しなければならないからです。

法人税が株式のリターンに影響を与えているとすると、日本と同じく約40%の米国でも同じ結果になっているはずです。
実際に米国における同期間の株式のリターンとCPIは均衡しています。

サプライサイドの問題なのか、リスクを防ぐ行動をとってきたディマンドサイドの問題なのか、その両方かもしれませんが、今後リスクプレミアムは減少していく方向にあるといわれています。

結論として、理論的には現在の金融制度のもとではCPIと株式のリターンは一致するということのようです。

投稿: グラフトン通り | 2009年3月 1日 (日) 13時25分

グラフトン通り様
 コメントありがとうございます。
>理論的には現在の金融制度のもとではCPIと株式のリターンは一致する
 なるほど。この件に関する本があったらぜひ教えてください。

投稿: NightWalker | 2009年3月 1日 (日) 14時26分

Night Walkerさん、クラフトン通りさん、こんにちは。

一つお聞きしたいのですが、このリターンには、配当が含まれているのでしょうか。それともキャピタルゲインだけでの、CPIとの比較でしょうか。

もし配当が含まれていないのなら、1970年当時からですと、アメリカ株式は配当が日本株よりはるかに高いので、比較の結果がかなり変わってきてしまいます。

投稿: おじさん | 2009年3月 1日 (日) 15時20分

すみません、追加させてください。

もし、本当にこれから、CPIと株式のリターンが同じでしかなくなるなら、合理的な投資態度は債券を買うことであり、株式というものは経済合理性からは存在することがけきなくなるのではないでしょうか。

投稿: おじさん | 2009年3月 1日 (日) 15時24分

おじさん様
 コメントありがとうございます。
 日経平均は、単なる指数です。したがって配当分はプラスになるはずです。配当(の再投資)こそが株式成長の源泉であるとするご意見はよくみますし、私もその通りだと思っています。配当の源泉は企業の利益ですね。

 なお、CPIと株式のリターンが同じになるかどうかは、私には、残念ながらわかりません。

投稿: NightWalker | 2009年3月 1日 (日) 15時36分

何度もすみません。

もし株式の配当も含めたリターンが、CPIと同じであるなら、合理的経済態度はリスクの低い債券を買う事です。

そして、その債権のリターンがCPIより低いなら、合理的経済態度は、債券より物(金などコモディティ)を買うことです。

そうすると、人および会社に、金を貸すものも投資をする者もいなくなり、資本主義は崩壊します。人類は(広い意味での)物々交換の時代に戻るでしょう。

投稿: おじさん | 2009年3月 1日 (日) 15時38分

またまた、すみません。

お返事をいただいたのと入れ違いに最後の投稿をしてしまいました。

日本株は低配当なので、グラフにしていただいた期間でスと、リターンで債券に負けている可能性が高いような気がします(検証してませんが)。

それなのに、株主に配当を増やすなどけしからんというような意見が、感情的に出てくる(つまり、これからも債券に負け続ける可能性を感じさせる)というのが、日本株アンダーウェイトという気を起こさせるのですが・・さて。

投稿: おじさん | 2009年3月 1日 (日) 15時48分

おじさん様
 私は、企業の利益こそ、株式リターンの源泉と思っております。おっしゃいますように、国民の大半が、企業の利益=悪と考えるようでは、少々困ったことになりますね。

投稿: NightWalker | 2009年3月 1日 (日) 16時19分

>この件に関する本があったらぜひ教えてください。

山口勝業さんの「日本経済のリスク・プレミアム」が良いと思います。
関連する本については、意識して調べてみると意外と多いことに気づかれると思います。
たとえば、ロバート・アーノットさんの書籍などいかがでしょうか。

アーノットさんはよくイボットソンさんと比較されます。アーノットさんは、『金融制度を考慮して』今後米国株のリスクプレミアムは限りなくゼロに近いとおっしゃっています。
一方、イボットソンさんは、『金融制度を無視して』今後も今までと同様にリスクプレミアムは存在するとおっしゃっています。

私には前者の方が説得力がありました。


>>おじさんさん

>そうすると、人および会社に、金を貸すものも投資をする者もいなくなり、資本主義は崩壊します。

CPIと株式のリターンが均衡するという場合、株式には配当が含まれています。均衡しても全てが同時に同じ方向に動くとは限りません。利用者はその都度有利なものを利用することができます。


>人類は(広い意味での)物々交換の時代に戻るでしょう。

妙に納得してしまいました。金融資本に裏付けされた世の中ではなく、実体経済に裏付けされた世の中になると思います。

投稿: グラフトン通り | 2009年3月 1日 (日) 22時51分

クラプトン通りさん、こんばんは。

この問題は、意外にこれからの投資態度を考える大切なものを含んでいるように思いますので、しつこく一つ。
誤解(誤読?)されているような面が感じられますので、念をおしますね^^。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

まず、人は投資をする場合、リターンが同じならよりリスクの低い対象を長期的には選ぶようになる、という前提を置きます。これは、短期的には投機を行ってもそれが報われずリスクを高めるだけに終わるという経験や知識が認識されてゆくなら、次第にそうなってゆくということです。

そして、債権金利はCPIより高くなくては、人は他人に金を貸さなくなります。それより物を買って持っていることを選ぶからです。

もし株式の配当も含めたリターンが、債券と同じであるなら、合理的経済態度は株式よりリスクの低い債券を買う事です。

そして、その債権のリターンがCPIより低いなら、合理的経済態度は、上記のように債券より物(金などコモディティ)を買うことです。

そうすると、人および会社に、金を貸すものも投資をする者もいなくなり、資本主義は崩壊します。人類は(広い意味での)物々交換の時代に戻るでしょう。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

人は投機を求める面がありますし、株式・債券・物価(配当込みで)が、パラレルであるというような、一般的には非常識な事が継続するとは、なかなか考えられませんので、なんとなく発展への期待はまだ持続しています。

しかし、こういう状態が長く続く市場は、沈滞してゆく運命です。それが、日本の市場の姿である可能性が高いのではないかということなのです。

投稿: おじさん | 2009年3月 2日 (月) 21時33分

おじさんさん

利用者はその都度有利なものを利用すればよいです。

たとえば、株式と社債は利害関係が一致しません。企業はそのつど有利な方法で資金調達します。短期的には同じ方向には進みませんが、長期的には同じ方向に進みます。一つのアセットクラスが長期的に有利であるならば、誰もが長期的には有利なものを選択します。ただ、そのような世界は続きません。
日本とイギリスが証明しました。アメリカも証明してくれそうです。


投稿: グラフトン通り | 2009年3月 3日 (火) 23時42分

そういうことが「証明」されてします国の市場は、凋落の過程にあるということでしょう。

投稿: おじさん | 2009年3月 5日 (木) 10時48分

ちょっとわかりにくそうなので追加しますね。短期的に、リスクがあり不利なので、そのプレミアムとして、長期的には有利ということが求められるのです。

そうでなければ短期的に損をするかもしれないものを買うものはいなくなります。

投稿: おじさん | 2009年3月 5日 (木) 10時51分

横から失礼します。

>リスクを取る投資家に満足なリターン(リスク・プレミアム)を供給できないサプライ・サイド側に構造的な原因があった

これは非常に興味深いです^^
配当利回りなどを見ても、日本株はリターンが低いと思います・・(外国株がいいとも限りませんが)


おじさん様

>株式の配当も含めたリターンが、債券と同じであるなら、合理的経済態度は株式よりリスクの低い債券を買う事です。

この理論は合理的だと思います。
社債の方が配当利回りの低い株式より有利かもしれません。

>債権金利はCPIより高くなくては、人は他人に金を貸さなくなります。それより物を買って持っていることを選ぶからです。

逆イールドになっているのでしょうか?

投稿: 預金王 | 2009年3月 6日 (金) 13時48分

すみません。実際に逆イールドになっているかは、検証していません。ただ、株式・債券のリターンとCPIの理論的な優劣を原則についての考えを述べただけです。

投稿: おじさん | 2009年3月 6日 (金) 17時43分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: CPIと日経平均の比較 1970-2009/1:

» 日本経済のリスク・プレミアム [レバレッジ投資実践日記]
国際分散投資をしている方の間ではお馴染み(?)のイボットソン・アソシエイツ・ジャ [続きを読む]

受信: 2009年3月 1日 (日) 13時37分

» 低成長時代の資産運用と2008年末のアセットアロケーション [30歳代からの資産運用〜よちよち投資家のブログ]
相互リンク先である、グラフトン通りさんが書かれたエントリーがきっかけだと思うのですが、長期リターンの一致株式市場から得られるリターン相互リンク先であるNightWalkerさんが興味深いエントリーを書かれています。CPIと日経平均の比較 1970-2009/1また、相互リンク...... [続きを読む]

受信: 2009年3月 2日 (月) 19時43分

« 09年度予算案、衆院を通過 年度内成立が確定 | トップページ | 日本株式と外国株式の比率 2009 »

 
 
Copyright © 2005 - 2025 NightWalker's Investment Blog All Rights Reserved.