投信の信託報酬 「販売奨励金化」にご注意!
本日の日経さんの家計面
- 投信の信託報酬 「販売奨励金化」にご注意
金融商品深掘りチェック、ということで、なかなかの良記事。
信託報酬と純資産総額との関係について、次の3つのタイプを紹介
- 各販売会社の純資産総額が増加すると、運用会社の取り分は減るが、販売会社の取り分は逆に増え、トータルの信託報酬は変わらないタイプ。(例:グロソブ)
- 純資産総額にかかわらず、信託報酬は一定のタイプ(例:アクティブバリュー)
- 純資産総額の増加に伴い、運用会社の取り分が減り、信託報酬が下がるタイプ(例:フィデリティ・ジャパン・オープン)
1のところはわかりにくいですね。グロソブの場合、なんと12段階の配分ルールが定められているという商品設計の細やかさ!こんなところに気配るなら...と言いたいところ。さすがに日経さんの記事では5段階に省略していました。無理もありません。ありませんが、わかりにくいので、12段階分、グラフにしてみますと....
- 運用会社は、運用資産が増えると取り分を減らして、努力している。
- 販売会社は、売れば売るほど、取り分が増え、儲かる。
- 投資家は、運用資産が増えても、ちっともうれしくない。
という風に見えます。(個人的な見解です)
いや、この商品、売ってみたいですね
掲題の「信託報酬の販売奨励金化」は、このことを言っているのですね。
まあ、逆にいえば、販売会社が取り分を減らせば、グロソブも相当真っ当な良い商品になるということかもしれません。教育にも熱心らしいし。
日経さんの記事では、SBIファンドバンク代表取締役、植村佳延さんのコメントが、「プロはこう見る」という囲み欄に紹介されています。
投信の残高が増えていった場合、そこから生まれる「規模の利益」は投資家に還元すべきであり、運用会社が受け取る報酬だけでなく。代行手数料も段階的に引き下げるのが経済原則にあっている。(中略)販売手数料が下がる一方で、代行手数料が逆に上がってしまうのでは、投資家にとってメリットはあまりない。
たとえば、ETFは、購入には手数料がかかりますが、保有コストである信託報酬は低廉です。
運用会社は信託報酬、販売会社は販売手数料で、それぞれ儲ける。そして規模の増大に伴い、コストを下げる....というのが、正しい姿ではないかと、改めて思ったりする次第です。
いや、良記事でした。
コメント
グラフにするとわかりやすくてよいですね。運用会社がいかに販売会社に頭が上がらないかが良く分かりました。
大きなチャネル(販売会社)はもう最高のインセンティブを得ているところもあるんでしょうか?
グロソブの規模だと8000億円ってのもありえそうですね。
良記事の紹介ありがとうございました。
投稿: オオカミ少年 | 2008年8月11日 (月) 14時23分
はじめまして。
私もこの記事読みました。
グロソブみたいな、投資家にやさしくない投信がなぜ売れるのかさっぱりわからないです。というか投資家の勉強不足なのか・・・・
某ミ○○イの投信コミュでもグロソブみたいなまめに分配を出す投信をいいと思っている人が多すぎます。
運用会社や販売会社は笑いが止まらないでしょうね。
投稿: みきぱぱ | 2008年8月12日 (火) 00時54分
皆様コメントありがとうございます。
>オオカミ少年様
>最高のインセンティブを得ているところもあるんでしょうか
あるかもしれませんね。何しろ、5兆円ですから。制度設計したときここまで行くとは思っていなかったでしょうし。
>みきぱぱ様
>まめに分配を出す投信をいいと思っている人が多すぎ
人間は遠い未来のお金より、今、ここにあるお金に価値を感じますから。毎月分配型は、ある意味、天才的な商品企画だったのかも。
投稿: NightWalker | 2008年8月12日 (火) 12時44分
確かに、価格コムでも、カナシイかな。グロソブは毎月分配で分配金を再投資すれば100万円が14X万円になりますよなんて平気でいっているおっさんいました。
その投信、複利で税金かかっていますよに気がついていません。嗚呼、、って感じでした。
確かに天才的な商品企画だと思います。
投稿: silencejoker | 2008年8月12日 (火) 23時53分
silencejoker様
コメントありがとうございます。
>複利で税金
橘玲さんによると、「愛国心豊富な方」だそうです。
投稿: NightWalker | 2008年8月13日 (水) 08時42分