国有化までの時間
記録です。
経営危機に陥っている英中堅銀行ノーザン・ロックの一時国有化を発表した。ヴァージン・グループなど民間による救済買収なども検討されたが、金融市場の早期安定化には国有化が最適と判断した。米サブプライムローンに端を発する金融市場の混乱では、金融機関が中東系ファンドなどから増資を受け入れて資本を増強する例はあったが、当該国の政府が国有化に踏み切るのは初めて。
我が国で、長銀が国有化されるまでに要した時間は、バブル崩壊後10年近く、でした。(なお、その時の法律の名前が、早期健全化法だったと記憶しています。早期って何?)
欧米は、日本のバブルの失敗に学んでいると聞きます。
- 金利引き下げのスピード(遅かった)
- (責任追及がセットとなりますが)公的資金投入のスピード(ものすごく遅かった)
このへんが、よく、やり玉にあがってますね。
早ければいいというものでもないのかもしれませんし、うまくいくのかはわかりません。しかし、早期の判断を下し勇気を持って実行する姿勢は、自分自身、見習うべきところ多し、と感じます。
ところで、米国は?バラマキ型となりやすい減税でいいのか?おそるべき自律回復力を備えているのか?
時がたてばわかるはずです。(あたりまえ)
<ご参考エントリー>
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コメント
銀行への税金投入が遅れたのは、税金で銀行を救済することに対する国民感情や、大手新聞をはじめとするネガティブキャンペーンなどの影響がかなり大きかったはず。
英国ではこの手の感情論はないのですかねぇ。「儲けるときだけ儲けといて・・・」とか「一般企業は倒産してるのに銀行だけを特別扱いするな」とか。
投稿: ntk | 2008年2月20日 (水) 18時23分
>ntkさん
英国でも国民の反発は大きいのです。昨秋のうちから売却提案がありましたが、国民負担の大きさから尻込みし、これでも長引かせてしまったのです。結果として、国有化しなければならなくなるわ、国民負担はさらに増えてしまったわで、野党保守党からは厳しく攻撃されています。もっとも、保守党の批判は、政府の「狼狽と遅延」に対してのもので、現時点となっては国有化という解決策自体は仕方が無いという意見が大方でしょうか。日本に比べればこれほど早い決断なのにですよ。政権交代のある国の政治は違いますね。ちなみに、ダメ会社を国有化するという手法は、イギリスでは保守党もときどき使ってきました(ロールスロイスとか)。
投稿: 通りすがり | 2008年2月20日 (水) 23時31分
コンテンツに関係なくて、しかもNightWalkerさんにも関係ないのですが。。。。
本文の末端のアマゾンの宣伝が、非常に目障りです。。。
NightWalkerさんの意思に関係ない広告に八つ当たりして本当に申し訳ありません。
投稿: とりさん | 2008年2月21日 (木) 21時24分
皆様コメントありがとうございます。
>ntk様、通りすがり様
英国の事情、参考になりました。ありがとうございます。
>とりさん様
ご要望にお応えして消しました。
投稿: NightWalker | 2008年2月21日 (木) 21時46分
通りすがりさん、ありがとうございます。「日本の銀行国有化=良い」というのは結果論であって当時は相当すったもんだしたと記憶していましたので、英国のことはあまり考えずに投稿してしまいました。
それでちょっと検索してみましたが、1月22日の新聞で、「ノーザン・ロック公的債務債券化、国有化回避へ救済策」という記事がありました。
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/economy/finance/117200/
>難航していた民間主導の経営再建計画を後押しし、英国内で批判を集めている国有化を回避する
や
>英メディアを中心に「途上国ならまだしも金融先進国の英国で国有化は時代錯誤も甚だしい」(フィナンシャル・タイムズ紙)などの批判が高まり政府は国有化回避に全力を挙げている
など、英国内でも反発があったことがうかがえます。フィナンシャル・タイムズまでも反対だったとは・・・日本は途上国かと・・・
ところが、いざ国有化されると「英ノーザン・ロック一時国有化 民間売却にこだわり決断遅れる」と。
http://sankei.jp.msn.com/economy/finance/080218/fnc0802180934003-n1.htm
国有化のノウハウを持つ日本に担当者を派遣していたようですね。
日本のメディアの報道がどこまで妥当なのか分かりませんが(上の二つの記事は両方とも産経系)、これでは英国政府も気の毒な感じがします。
長文失礼しました。
投稿: ntk | 2008年2月22日 (金) 16時25分