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2007年10月 8日 (月)

確定拠出年金、運用漏れ8万人 連絡先不明2万人

 企業年金の一種である確定拠出年金(日本版401k、256万人)で、運用されないまま放置されている8万人分の年金資産のうち、住所が不明で持ち主と連絡が取れないものが2万人分程度にのぼることが6日、わかった。厚生労働省は企業の説明や本人の理解の不十分さが主な原因とみており、資産の移行手続きの周知を企業などに徹底するよう求める。 401k加入者が企業年金がない所へ転職したり、自営業になったりした場合、個人で運用を続けるか、年金資産を一時金で受け取るかなどの手続きをしなければならない。この手続きを6カ月間しないと、年金資産は自動的に国民年金基金連合会(東京都港区)へ移され、運用されずに塩漬けにされる。件数は07年3月末で計8万638人分、211億円に上る。

   思うところ多し....です。

 だから、確定拠出年金制度は、だめなんだ、という論理を展開するつもりは全くありません。同制度が、もっと発展して欲しいと思っています。

主に労働組合向けに401kのセミナーを開くNPO金融年金ネットワークの植村昌機事務局長の話 企業の説明は資産運用が中心。退職時の手続きについては後回しになってしまう。退職後に自分で運用すると年5000円ほどの口座管理料がかかるが、資産が25万円以上あれば運用利率2%で回収でき、それほど難しくはない。運用益も非課税で預金よりも有利だ。塩漬けのデメリットをもっと説明する必要がある。

 こういうのを見ると、このように、教育や説明の重要性を訴える人がいるわけですが、それだけでは、無理だと思います。

 なぜなら、「人の話を聞かないやつ」「困ってから考えるやつ」ってのは永遠に存在するからです(^^;)。

 自分の息子を見ているとつくづくそう思います(^^;)し、いざ、歯が痛くならないと歯医者に行かない自分がいたりする(m_m)わけです。

 こういう方々は、ある比率で 存在し、ゼロになることはありません。

 そして、確定拠出年金の運用者が256万人というのは、あまりに少ない。ひと桁違うんじゃないかと。で、そうなった場合、さらに10倍の確定拠出年金難民(上記のように、よくわからないまま自分のお金を失ってしまう人)が発生する可能性があります。

 別にそういう方々が悪いとは思いません。そういう方々は、きっと、社会に大きな貢献をしていらっしゃるはずです。 だから、お金のことを考える暇もなく、働いていらっしゃるのです。足を向けては寝れません。

 ひょっとすると、この確定拠出年金の放置も、実は社会貢献の一環で、一種の寄付かもしれませんよ。ありがたく、国庫に納めて、財政再建の一助にでもしていただければよいのではないか、感謝の気持ちをこめ、霞が関に無名銅像くらいは立ててもよいのではないかと(^^;)。

 後半の冗談はともかく、多くの方が難民状態になるのはいけません。何十年もたってもらい損ねた、と言って騒ぐのは、自己責任の世界ではルール違反ということになってしまいますが、見捨ててしまうわけにもいかないでしょう。

 そこで、ファイナンシャル・アドバイザーという職種が結構、重要な役割を果たすのかもしれないなと思っています。将来的には、わが国でも、潜在顧客の顕在化ならびに増大に伴い、大量の人材不足も想定されます。

 これからの日本は、コンシューマ向けの金融ならびに医療サービスの時代だと私は思ってます。

 日本は「モノづくり立国の復活だ」などと官僚や財界のお年寄り(失礼)の方が言っているのを聞くにつけ、「違うよなあ」「それは、過去の成功体験にしがみついているだけじゃないの」と思います。もちろん「モノづくり力」を維持増強すること自体を否定はしません。大事なことです。ただ、それがイコール次世代の日本の 成長エンジンではないのでは?という意味合いです。

 ドラッカー先生だったと思うのですが、20世紀は、科学を産業にした時代だと。たとえば、機械工学が車を生み、論理学と電子工学が融和してコンピュータになった、と看破されていました。そして、いまや、世の中、何でもデジタルです。そのデジタル化産業もそろそろ成熟ムード。最後の産業化未開拓科学としては、遺伝子工学(バイオですね)ぐらいでしょうかねえ。

  21世紀は、これら20世紀科学が生み出したビジネス(産業)を、サービス型ビジネス(産業)に転換していく時代だ、などともよく言われます。(→学生の皆さん、就職のときに参考にしてね、自己判断ですけど)

  そのひとつとして、 今後、「身近なところに真に良心的なファイナンシャル・アドバイザー」というビジネスは、拡大していくのかもしれません。

  ご参考エントリー

短期的なマーケットの変動には目もくれず、ひたすら長期分散投資を実行し、コミュニティーに根ざしたファイナンシャルアドバイザーを育てるEJ。

   こういうサービスを良心的なコストで提供してくれる方々が、いらっしゃれば、安心です。

  だからと言って、官僚の皆さま!やたら複雑な制度を作られては困りますよ!一部業界と結託してしまうと、いわゆる「マッチ・ポンプ状態」になっちゃいますんで....ね。この世の常、と言ってしまえばおしまいですが。

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コメント

小生、退職の際、総務部門から簡単ながらも個人型DCの説明を受け、あっちこっちの投資ブログを読んで岡三個人型DCに切り替えました(笑)。多分、退職者本人だけでなく会社の退職者に対するアフターケアにも関わってくるのでしょうね。本来なら、401K導入後、社員に対して、定期的に投資教育やら相談受付をすることになっていますが、果たして・・・。何処の企業も、JR西日本みたいに、多かれ少なかれグチャ泥状態ですから・・・。小生の退職した会社でも、周りの同僚は、「投資信託なんてやったことないぜ。元本保証じゃないいだろ。危ないから、定期か。」なんて言っていました。企業型DCの中には、NightWalkerさんだったら涎をたらして喜びそうな、信託報酬手数料0.1%台後半のインデックス投信も結構はいっているんですがね。小生、日本株個別銘柄買い漁って、さわかみ風(?)長期投資で1億円超えを達成して退職、FIの道へ!「どないなふうにやったんや?そんなことなら、なんで俺に教えてくれんかったんや?こんなアウシュビッツみたいなところにいとうないんや。」。投信なんて・・・という連中に限って、こんな感じです。
但し、rennyさんのブログでも、以前問題になっていた「特別法人税1.1%強?」が凍結解除になれば・・・。上記の「元本割れのない定期か」の場合、1%未満の金利ですから、元本逓減型に・・・、笑うに笑えない事態になってしまいます!

投稿: Werder Bremen | 2007年10月 8日 (月) 13時27分

Werder Bremen様
 コメントありがとうございます。
 投資教育や助言の必要な人は、たくさんいそうですね。転ばぬ先の杖というより、転んでからの杖、となることが多そうですが。

投稿: NightWalker | 2007年10月 9日 (火) 21時09分

> 確定拠出年金、運用漏れ8万人 連絡先不明2万人

確定拠出年金に限らず、連絡先不明というのは、
申請主義が結構、貢献?しているのではないでしょうか。

私、社会人になってから何回か引っ越ししてますが、
住民票、免許証、電気、ガス、水道、電話、金融機関
などは、住所変更の手続きをちゃんとやりましたが、
年金関係で住所変更の申請?をした記憶がない...

投稿: ひろん | 2007年10月10日 (水) 21時32分

ひろん様
 コメントありがとうございます。
 うーん、引っ越しすると何かと不便ですね。かといって、いわゆる国民全員背番号制度ってのもなんかいやな感じがしますし...

投稿: NightWalker | 2007年10月11日 (木) 19時43分

NIghtWalkerさま

いつもブログを楽しみに拝見させて
頂いております。

ブログで取り上げていただきありがとうございます!
私も日に日にこのビジネスの潜在的な需要を肌で
感じております。

少しでもEJに近づけるように
研究・改善して、いいサービスをお客様に
提供していきたいと思います。

投稿: 中桐 | 2007年10月14日 (日) 13時55分

中桐様
 コメントありがとうございます。
 高齢者の方が、数千万円の資金を急に自己責任で運用しなければならなくなるという場面で、金融機関以外の信頼できる方に相談したい、というニーズは大きくなると思っております。

投稿: NightWalker | 2007年10月15日 (月) 20時12分

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