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2007年7月 2日 (月)

魔法の論理

 1500兆円の金融資産の運用利回りが1%上がるだけで、15兆円もの利益が上がる。これは現在の消費税歳入に匹敵する。(だから財政再建、心配ご無用。増税だっていらないかも)

 たいへん、気持ちのいい論理です。

 この「あやしい」お話に、反論したかったのですが、私ごときが、上記の論理を述べておられる国家経済を背負えるほどの大先生に、一席ぶつわけにも参りません。困っておりましたら、山崎元先生が、反論してくださいました。

 今週号の週刊ダイヤモンドのp71です。ご自身のブログでも紹介されています。

「分かりやすく馬鹿馬鹿しい例は、預貯金中心に運用されている、一千五百兆円の家計の金融資産の運用利回りが一%上がれば、経済効果は素晴らしい、という議論だ。初年度から、年間一五兆円、現在のGDPの約三%の付加価値が新たに必要で、このハードルは毎年高くなる。国民が預貯金を株式に乗り換えただけでは、生産は急に増えないし、企業の利益を株主間で薄めて取り合うだけだ。」

 ああ、よかった。山崎先生ありがとうございます。すっきりしました。

 資金流入して、一時的に株価は上がるのでしょうが、当の企業収益が追いつかなければ、株価は適正水準になってしまうことが多い、ということのようです。

 また、これは、冒頭の論理に対する私の疑問なのですが、仮に金融資産1500兆円の10% 150兆円がリスク資産へ流入したとして、これで全体を1%底上げするには、流入資金150兆円の運用を年率10%で運用し続けないといけない計算になるのではないでしょうか。できるんでしょうか。単年度くらいはできるかもしれませんが。

 結局、世の中、そんなに単純でうまい話はない、企業の生産性が向上しない限り、収益も上がらず、株価も上昇しない、と思います。

 1500兆円の金融資産の運用利回りが1%上がるだけで、15兆円もの利益

 たいへん、優しくて、美しい論理です。

 ところで、本格派の長期投資、というのも、とても素敵な概念です............これについては、またの機会に(たぶんありません^^)。

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コメント

「本格派の長期投資」についてもぜひ書いていただきたいです。今回の話は本格派の長期投資について語るセミナーでも取り上げられている話題ですから。

投稿: 弥太郎 | 2007年7月 3日 (火) 00時32分

山崎さんの記事も含め読ませて頂きました。
山崎さんの意見も正しいとは思うのですが、このままではいけないとは感じます。どうすれば良いかは判りませんが(汗)

それにしても1%増やすのも難しい時代なのに、高利につられる方が多いのが日本らしい感じがします....。

投稿: かえる | 2007年7月 3日 (火) 00時54分

皆様コメントありがとうございます。

>弥太郎様
 折を見て、お話しするかもしれません(^^;)。

>かえる様
>1%増やすのも難しい
 日本のマネーがそれだけ巨大ということでもありますね。0.1%でも1.5兆円ですから。

投稿: NightWalker | 2007年7月 3日 (火) 19時55分

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