運用10社、前期純利益42%増
2007年7月7日の日経新聞 4面です。
投資信託などを運用する大手各社の2007年3月期業績が6日までに出そろった。「貯蓄から投資へ」の流れを背景に運用残高が増えており、主要10社の純利益の合計は778億円と前の期から42%増加した。公募株式投信の運用残高が44兆円と同38%増えたことなどが主因。各社ともこの流れを定着させ、投信運用で安定的な収益を稼ぎ出す構えだ。
主要運用会社の07年3月期業績です。
会社名 | 純利益 | 前期 増加 率 |
運用 残高 |
野村アセット | 168 億円 | 54% | 10.8 兆円 |
国際投信 | 172 億円 | 18% | 6.4 兆円 |
日興アセット | 100 億円 | 143% | 6.2 兆円 |
大和投資信託 | 86 億円 | 186% | 6.4 兆円 |
三菱UFJ投信 | 94 億円 | ▲14% | 4.4 兆円 |
フィデリティ | 25 億円 | 78% | 1.8 兆円 |
興銀第一ライフ | 47 億円 | 46% | 2.3 兆円 |
三井住友アセット | 34 億円 | 9% | 1.6 兆円 |
ピクテ | 26 億円 | 271% | 2.8 兆円 |
大和住銀 | 26 億円 | ▲3% | 1.4 兆円 |
儲かってます!
運用会社の主な収入源は、管理手数料の名目で毎年、投資家から徴収する「信託報酬」。
いやあ、日経さん、すばらしい表現です。正確には、毎日日割りで少しずつ徴収されている ことが多い、わけです。
となってきますと、少しは投資家に還元してよね!ということになりますが、ちゃんとコラムに書かれてました。
投信手数料下げ圧力も
(前略) 確定拠出年金(日本版401K)向けなど一部の投信では値下げが始まっているが、調査会社のモーニングスターによると、今年3月時点の信託報酬の平均値は契約資産の1.308%と、10年で0.16%上昇しているからだ。米国では、投信市場の拡大に伴い手数料は低下傾向をたどっている。米投信協会の調査では、消費者のコスト意識の高まりも加わって、現在の手数料は1980年のほぼ半分になっている。(中略)日本の運用会社にも、割安な手数料の設定など消費者への利益還元を求める声が強まる公算が大きい。
手数料引き下げの背景に、
- 投信の市場の拡大
- 消費者のコスト意識の高まり
といったところが必要と、このコラムを書いた方は、お考えのようです。
日経新聞の記者さんも私も、お得な商品が欲しいことでは、願いはいっしょ。当ブログにお越しの皆様の多くの方もローコスト投資商品をお求めなのではないでしょうか。メジャーな新聞様に比べれば微々たるアクセスですが、本ブログのユニークユーザ数がこの4カ月で22,507人(Google Analyticsによる)です。関心の高まりを感じます。非常に私的な活動の場である当ブログですらそうですから、このバックグランドには、軽く100倍の方がいらっしゃるような気がしていますし、日本人の投資コストに対する意識は、高まっているものと推測いたします。
やはり、安い投信を欲する強い気持ちが重要です。消費者が、今の段階でできることは、
海外ETF、インデックスファンドなどの信託報酬の安い投信を買う!
ということでしょうか。
ただ、現状では、「マイストーリー」「グローバルインカム株式ファンド」、伸び率鈍化傾向はあるものの「グロソブ」などが、投信市場拡大を牽引しているようです。また、市場が拡大したといっても、米国運用大手のT・ロウ・プライスの06年の純利益が円換算で約630億円と、上記10社の合計にほぼ匹敵するとのこと。
日本は、まだまだ、これからです。
資産運用は、1に配分、2にコスト、3、4がなくて5にコスト。
それでは。
コメント
消費関連、化粧品とか日用品とか家電はブロガーの力(特に女性)が無視できなくなって、その人達を新作発表会、展示会に招待し、試供品まで渡してモニターになってもらい感想をブログに書いてもらう→宣伝効果!
今この流れが無視できないとテレビでやってましたよ。NightWalkerさんはじめブロガーの皆さん、”圧力団体”となってドンドン情報発信してください。僕も株主総会で日興(背後のシティーにも)に、「投信SCとマネックスは個人投資家に使い勝手のある子会社だ。自分の利益しか考えないでシティーのプライベートバンキング部門は金融庁から行政処分を喰らって日本から摘みだされた輩だろ!お前ら両社に余計なチョッカイ出さんでくれ!」と一発かましてきました。皆さん、一人一人が、様々な媒体、場所、機会で情報発信、発言すれば、チリも積もれば山となります。頑張りましょう!
投稿: Werder Bremen | 2007年7月 8日 (日) 14時10分
お金を持っている方がもっと預金から投資信託へ投資、という流れになれば全体のパイが大きくなって、信託報酬を少しくらい下げても利益は減らない、という風になればよいですね。現状の段階で、信託報酬を下げろ!といっても彼らは株式会社なわけですし、利益を上げるのが絶対ですからね。
それともバンガードみたいに受益者が株主という運用会社ができればよいのですが。
投稿: porco | 2007年7月 8日 (日) 17時34分
皆様コメントありがとうございます。
>Werder Bremen様
>一発かましてきました
そうですか、一発いっちゃいましたか(^^)。ありがとうございます。今後に期待、ということですね。
>porco様
おっしゃるように、投資家と運用会社が、共存共栄(WinWin)の関係になるスキームが必要ですね。
投稿: NightWalker | 2007年7月 8日 (日) 20時14分