いくらあればリタイヤできるかの試算(3)
前回までで、リタイヤには結構お金がかかるという話をしてきました。
年金を年200万円もらったとしても、高齢者にふさわしいゆるやかな期待リターンである年3%程度の運用では、60歳リタイヤをするために4000万円以上必要な計算になってしまうんですね。 そんなにない?どうしましょう。
そうだ!わが社には、多少不安が残るとは言え、退職金と企業年金制度がある!
.......とまあ、こんな調子で続けていたら、きりがないので、以下、老後の対策で、私に思いつくものを一気に書いてみます。
- 金融資産をひたすら貯める。
- 公的年金に頼る。
- 退職金に頼る。
- 企業年金に頼る。
- 遺産に頼る。
- 固定資産(持ち家)に頼る。
- 子孫に頼る。(老いては子に従う)
- 節約する。ぜいたくは敵。
- 老後も運用し続ける 。
- 老後も働く。あるいは資産に働いてもらう。一生働く。
結構たくさんありました。他にもあるかもしれません。一方で、これら一つ一つには、大きな個人格差があります。が、あえて、上記から、いくつか選んで試算して、今回のシリーズのお開きとすべく、以下のような場合を想定します。
- 退職金・企業年金はもらえる。全額老後資金に編入。(サラリーマンの場合、もともと、賃金としてもらうべきものを後払いしてもらうシステムなので、もらえて当然。)
- 遺産は、金融資産に換算して1000万円あり、全額老後資金に編入。(計算の都合上、リタイヤ時にもらったことにします)
- 借金返済済の持家に住む、その他節約等々で生活費が年300万円で済んだ。
- その他の条件は、前回エントリーと同じで、リタイヤ年齢に関わらず年金が年200万円、もらえる
です。もう頼りまくり。かなり、無理がある設定かもしれませんが、シミュレーションということで、ご勘弁願いたくお願い申し上げます。
退職金+企業年金の総額を以下とします。本当は、企業年金の予定利率は、別個になるはずですが、ここでは、他の老後資金の運用利率と同じにできることとさせて下さい。
40歳 | 45歳 | 50歳 | 55歳 | 60歳 | 65歳 | |
退職 金+ 企業 年金 |
1,000 | 1,500 | 1,800 | 2,000 | 2,000 | 2,000 |
この条件で考えると
<85歳に資金ゼロ円の場合 単位:万円>
運用 利率 |
リタイヤ年齢 | |||||
40歳 | 45歳 | 50歳 | 55歳 | 60歳 | 65歳 | |
0% | 7,500 | 5,500 | 3,700 | 2,000 | 500 | -1,000 |
1% | 6,014 | 4,393 | 2,914 | 1,475 | 173 | -1,195 |
2% | 4,854 | 3,506 | 2,270 | 1,036 | -105 | -1,365 |
3% | 3,935 | 2,787 | 1,736 | 666 | -343 | -1,512 |
4% | 3,196 | 2,197 | 1,290 | 351 | -547 | -1,641 |
5% | 2,596 | 1,708 | 913 | 82 | -725 | -1,754 |
6% | 2,102 | 1,299 | 592 | -151 | -879 | -1,853 |
7% | 1,691 | 952 | 316 | -354 | -1,015 | -1,941 |
8% | 1,346 | 656 | 77 | -532 | -1,134 | -2,018 |
9% | 1,053 | 401 | -131 | -689 | -1,240 | -2,087 |
10% | 802 | 181 | -314 | -828 | -1,334 | -2,149 |
<100歳に資金ゼロ円の場合 単位:万円>
運用 利率 |
リタイヤ年齢 | |||||
40歳 | 45歳 | 50歳 | 55歳 | 60歳 | 65歳 | |
0% | 9,000 | 7,000 | 5,200 | 3,500 | 2,000 | 500 |
1% | 6,900 | 5,324 | 3,893 | 2,504 | 1,254 | -59 |
2% | 5,381 | 4,088 | 2,912 | 1,746 | 678 | -500 |
3% | 4,250 | 3,153 | 2,161 | 1,158 | 227 | -851 |
4% | 3,387 | 2,429 | 1,572 | 694 | -130 | -1,134 |
5% | 2,712 | 1,856 | 1,102 | 322 | -418 | -1,363 |
6% | 2,173 | 1,393 | 719 | 18 | -653 | -1,550 |
7% | 1,735 | 1,013 | 402 | -235 | -847 | -1,705 |
8% | 1,373 | 695 | 135 | -447 | -1,009 | -1,835 |
9% | 1,069 | 427 | -92 | -628 | -1,146 | -1,943 |
10% | 812 | 197 | -287 | -785 | -1,264 | -2,036 |
表中、マイナスは、その分余るという意味です。結論。
頼って頼って頼りまくれば、人生何とかなる!
一生懸命働けば、とんでもないことには、ならなさそうです。当たり前と言っちゃ当たり前です。
繰り返しになりますが、リタイヤに必要なお金の量、調達方法は、大きな個人格差があります。今回の一連の計算は、一シミュレーションにすぎません。一人一人が、自分なりに考える問題です。
さて、これまで、計算してきたのは、リタイヤに必要なお金の問題です。しかし、人生は、それだけでは、ないはずです。お金だけでは、解決できない問題には、例えば、以下のようなものがあります。
- 生甲斐
- 健康
- 社会とのコミュニケーション
エントリーのタイトルとは、ずれますが、重要な問題です。若いうちは、意識せず得ることができる人も多いでしょう。しかし、年をとると、だんだん難しくなっていく課題です。
こういったことも考え合わせると、一生働く、という選択肢は、案外、捨てがたいものかもしれません。もちろん、リタイヤしてまで宮仕えっていうのはありませんので、その他の方法になると思います。
(注)
- 前回も、前々回も述べましたが、 今回の試算は、あくまでも、シロートの私が、えいっと計算したもので、間違いがあるかもしれません。引用はご遠慮ください。
- 試算結果は、あくまで、ご参考ということで、お願い申し上げます。(m__m)
コメント
マイナスの部分はどう読めばいいのでしょうか(笑)
借金してもいいのかなとか。。
投稿: Unizoh | 2007年6月 5日 (火) 15時19分
Unizoh様
表中の数字は、退職金他を全額年金資金に投入したとき、あと、どれだけ足りないかという意味です。
マイナスは、退職金他を全額年金資金に投入したとき、余りが出るという意味です。
わかりにくくてすみません。
投稿: NightWalker | 2007年6月 5日 (火) 18時45分
初めまして・・・
楽しいブログですね☆
いくらあればリタイア出来るのか?
というのは年利の計算表よりは参考になりますし、
傑作かと思います(笑)
ETFについてお勉強中で、ここに立ち寄ることが出来ました。素敵なブログに出会えて、とても嬉しいです☆ETFの情報をこれからも楽しみにしてますね。投資で暇と言ってみたい人でした(^-^)/
投稿: baron♪ | 2007年6月20日 (水) 02時33分
baron♪様
はじめまして。コメントありがとうございます。
よろしくお願い致します。
ETFの情報は、相互リンク先の皆様も、より参考になるかと思いますので、ご参照くださいませ。
梅屋敷商店街のランダム・ウォーカーさん、敗者と勝者のゲームさん、他の皆様方です。
この表は、年利を計算する逆※をやっていますので、本質的には同じことを意味しているはずです。Future Value(Excel Fv関数)とPresent Value(Excel PV関数)の関係です。
投稿: NightWalker | 2007年6月20日 (水) 23時50分