いくらあればリタイヤできるかの試算(2)
前回のエントリでは、「年金はあてにしない。年金受取額ゼロ円」という条件で、必要資金を試算しました。この条件では、60歳にリタイヤし、老後の運用利率が3%、85歳まで生きるという比較的ゆるやかなのケースでさえ、6965万円も必要になる、という計算になってしまいます。愕然。
でも、わが国には、多少不安が残るとは言え(^^;)、年金制度がある!
今回は、年金がもらえる前提でどれだけリタイヤ資金が必要か計算してみます。
条件は、以下の通り。
- 65歳から年金を年200万円もらえるという仮定
- 計算の便宜上、リタイヤ時期に関係なく、年200万(本当は保険支払額によって変わるので少々乱暴ですけどご容赦くださいませ)
なお、年金の試算は、5000万件問題で揺れる社会保険庁のサイトにいくとシミュレーションできます。
<85歳に資金ゼロ円の場合 単位:万円>
運用 利率 |
リタイヤ年齢 | |||||
40歳 | 45歳 | 50歳 | 55歳 | 60歳 | 65歳 | |
0% | 14,000 | 12,000 | 10,000 | 8,000 | 6,000 | 4,000 |
1% | 11,624 | 10,176 | 8,655 | 7,056 | 5,375 | 3,609 |
2% | 9,803 | 8,741 | 7,570 | 6,276 | 4,847 | 3,270 |
3% | 8,386 | 7,598 | 6,685 | 5,626 | 4,399 | 2,975 |
4% | 7,268 | 6,677 | 5,957 | 5,081 | 4,015 | 2,718 |
5% | 6,374 | 5,924 | 5,351 | 4,619 | 3,685 | 2,492 |
6% | 5,648 | 5,303 | 4,842 | 4,225 | 3,399 | 2,294 |
7% | 5,052 | 4,785 | 4,411 | 3,887 | 3,151 | 2,119 |
8% | 4,557 | 4,349 | 4,043 | 3,594 | 2,933 | 1,964 |
9% | 4,141 | 3,977 | 3,726 | 3,338 | 2,742 | 1,826 |
10% | 3,788 | 3,659 | 3,450 | 3,114 | 2,574 | 1,703 |
<100歳に資金ゼロ円の場合 単位:万円>
運用 利率 |
リタイヤ年齢 | |||||
40歳 | 45歳 | 50歳 | 55歳 | 60歳 | 65歳 | |
0% | 17,000 | 15,000 | 13,000 | 11,000 | 9,000 | 7,000 |
1% | 13,396 | 12,039 | 10,612 | 9,113 | 7,538 | 5,882 |
2% | 10,857 | 9,905 | 8,855 | 7,695 | 6,414 | 5,000 |
3% | 9,018 | 8,330 | 7,534 | 6,610 | 5,539 | 4,297 |
4% | 7,649 | 7,140 | 6,520 | 5,766 | 4,849 | 3,733 |
5% | 6,605 | 6,219 | 5,727 | 5,099 | 4,298 | 3,275 |
6% | 5,789 | 5,492 | 5,095 | 4,563 | 3,852 | 2,900 |
7% | 5,139 | 4,907 | 4,582 | 4,126 | 3,486 | 2,590 |
8% | 4,610 | 4,427 | 4,159 | 3,764 | 3,183 | 2,331 |
9% | 4,174 | 4,029 | 3,804 | 3,460 | 2,929 | 2,113 |
10% | 3,809 | 3,692 | 3,504 | 3,201 | 2,714 | 1,929 |
うーん、やはり、結構な金額です。先にあげた、ごくごく一般的なケースである、60歳リタイヤ、リタイヤ後の運用利率3%、85歳まで生きるという条件でも、4,399万円も必要という試算結果になります。
「くらくら」してきますね。
次回、では、どうすればよいのか?、 私なりの対策を考えてみたいと思います。
(注)
- 上記は、あくまでも「ある仮定」に基づく計算であり、個々人の事情により、リタイヤ資金の設計は大きく異なります。自分で計算できそうもないとお思いの方は、FPさんなどに相談されることをお勧めします。
- 年金制度は、今後も大きく変わる可能性があります。昨今の社会保険庁関連報道を見ていますと、つくづく心配になります。
- 前回も述べましたが、 今回の試算は、あくまでも、シロートの私が、えいっと計算したもので、間違いがあるかもしれません。引用はご遠慮ください。
- 試算結果は、あくまで、ご参考ということで、お願い申し上げます。(m__m)
コメント
前回のエントリーに比べてこうして見ますと、年金の大きさは無視できない額ですね。
国も年金の大切さをこう言った視点からもアピールしちゃいけないと思いますが、
加入していない方に考えるキッカケをもっと提供しないといけないですね。
それにしても、
長い道のりなので気長に頑張ってみたいと思います。
投稿: かえる | 2007年6月 3日 (日) 13時20分
かえる様
コメントありがとうございます。
年金制度の魅力は、死ぬまでもらえるという点とインフレリスクを吸収できる点ですね。
>年金の大きさは無視できない額
その通りではありますが、年200万円くらいもらえるのは厚生年金加入者で、かなり、まっとうに勤めあげた人の場合です。 逆にいえば、それだけの原資を支払っているわけです。サラリーマンの場合、未払いは不可能です。強制徴収。
未加入が問題となっている国民年金だと、もらえる年金は、その半額以下となります。だからといって未加入では困りますが、投資(年金の支払)額に対するリターンが期待できないのであれば、そのような選択をする人が出てくるのも無理もないことだなあ、とも思います。
ちなみに年金制度については、
・完全税制に移行。財源は消費税。
・現行の国民皆加入制度は廃止。当然社会保険庁も廃止。(改革ではない。不要。)人員が余るので、公務員削減に対して足りない足りないと抵抗している各省庁に配置。
・年金だけでは、人道的に見て、足りないケースは、「生活保護費」の領域で解決。(この領域は「年金」ではない)
・2階建て以上の部分については、個人運用。政府はこれまでの積み立て分の移行措置や税制優遇措置を行う。
などなどと考えております。
>長い道のりなので気長に
はい。気長そして気楽が一番です。人生もブログも。(あ、わかりやすいオチをつけてしまいました(^^;))
投稿: NightWalker | 2007年6月 3日 (日) 17時29分
頼りない日本の年金ですが、確かにあった方が良い。少なくとも払った人に対して、社保庁のように、「ナイデー、知らんでー。」なんて言われたらたまりません。しかし、日本の社保庁や厚生年金より遥かにまともと考えられるドイツでも65歳が67歳から支給に繰り下げがありました。日本はどうなるか心配です。
投稿: Werder Bremen | 2007年6月 3日 (日) 20時10分
今、40代半ばですが年金は「無し」を想定しています(もちろんちゃんと払っていますヨ)。なんというか、上の世代へのご苦労賃と、掛け捨て保険みたいなイメージですね。
事業があるのでまったく無収入にはならないでしょうが、今の生活水準+αを実現するには、インフレ無し想定でも年間1千万以上必要なので資産運用の良い動機付けになっています。。。
投稿: S | 2007年6月 3日 (日) 20時48分
皆様コメントありがとうございます。
>Werder Bremen様
>ドイツでも65歳が67歳から支給に繰り下げ
日本でも可能性はあると思います。しかし、後出しじゃんけんはやめてほしいですね。後になって「やっぱりあげない」と言われた日には....。
>S様
>なんというか、上の世代へのご苦労賃と、掛け捨て保険みたいなイメージ
おっしゃるような気持ちになりますよね。
>事業があるのでまったく無収入にはならない
事業のご苦労はあろうかと思いますが、理想的だと思います。
投稿: NightWalker | 2007年6月 3日 (日) 21時11分