投資を始める方へ(6):長期的リターンが期待できる資産
前回、複利の力を信じて長期投資するときに重要なこととして、以下をあげました。
- 長期的リターンが期待できる資産への投資。
- 株式と債券の比率を金利の変化に応じて変える。
- ボラティリティ(価格変動)を前向きに考える。
実は、前回あげた、上記3項目は、見え見えだったかもしれませんが、話を引っ張るためのお題だったので、ちょっと、引っかかるような書き方をしてしまいました。案の定、メールで、natuさんという方より、「投資初心者ですが..」と断っていただいた上で、以下の質問を受けしてしまいました。
(質問1)
1.については、きっとコスト面や分配金の回数等のことと思い理解できます。(質問2)
2.は、よく書籍では年齢(リスク享受)に応じてその比率を変化させると書いてありますが、金利によってどのように変化させるのでしょうか?(質問3)
3.は私の勉強不足で、全くどのようなことを意味しているのか解りません。
せっかくですので、この質問にお答えするスタイルをとりながら、お話を進めたいと思います。
長期的リターンが期待できる資産への投資について
きっとコスト面や分配金の回数等のことと思い
これは違います。私のブログでは、執拗に(笑)コストのことばかり書いていますので、誤解されたのかもしれません。もちろん、コストは重要です。
「長期的リターンの期待できる資産」とは、字句の意味する通り、ずっと値上がりする資産のことです。値下がりし続ける資産があったらだれも投資しませんよね。
長期的に高いリターンが保証される資産があるかというと、当たり前ですが、ありません!(あ、ないと思います、たぶん)
しかし、長期的に高いリターンが得られる可能性が高そうな資産は、存在します。
私が思う(あくまでも個人的見解です。実際の投資は自己責任でお願いします。)には、次の二つです。
- 株式
- 金利が高いときの高格付け国内債券(国債など)
1.については、下記の本などを読んで、株式を信じることができたなら、自己責任で検討してみてください。
株式が値上がりし続ける根拠は、次の二つに集約されるようです。
- これまで、株式は、短期的な上げ下げはあっても、長期的に見れば、値上がりした。
- 世界経済は今後も発展するだろう(たぶん)。資本主義も滅びない(たぶん)。
という根拠です。1番目は過去そうだったというだけ。2番目の根拠は、根拠とすら言えないかも。ここには数式を解くような論理はありません。
これを信じ続けることができるかどうか?私自身も不安です。10年後の自分が何を考えているかなんてわかりません。株式が今後も上がり続ける保証は全くないのです。
長期投資は、リスクが高いのです。今、使った方が、長い人生の中で有意義かもしれないお金をわざわざ長期間塩漬けにしておくのですから。それを短期的にはリスクの高い株式に投資し続けるのです。
というわけで、株式とは対極にあるリスクフリーな資産である国債や定期預金は、金利が高ければ、重要な資産です。しかし、金利って上がることがあるのでしょうか?
(続きます。更新日未定。)
みなさんへ
ところでこのシリーズの第1回でご紹介した本は、お読みになりましたか?
長期投資は、誰しも不安なので、いろいろな本が売られています。
コメント
びっくりしました。natuと申します。
申し訳ありません。ちょっと聞いてみたかったため、個人mailさせていただいたところ、このように御丁寧に改めてブログとして書いてくださるとは・・・
内藤氏、橘氏、北村氏、朝倉氏の本は読みました。特に橘玲氏の「臆病者のための株入門」は私にとっては目から鱗でした。1に関しましては、世界市場全体に投資することを前提とし、その上でコストや分配回数の少ない投信(例えばセゾン投信のようなファンド)の事を“長期的リターンが期待できる資産”と表現されているのだと捉えてしまいました。失礼いたしました(汗)。
2、3に関してましては、個人的にとても知りたいと思います。どうか御享受いただければ幸いです。
投稿: natu | 2007年4月11日 (水) 22時46分
はじめまして、まーぷーといいます。
ちょくちょくブログ拝見させていただいてます。
勝手ながら、ひじょーーーに勉強になってます。
私のブログはまだまだ未熟ですが、もしよかったら相互リンクしていただけませんか??
私の方はすでに貼らしていただいてます。
ご検討よろしくお願いします。
投稿: まーぷー | 2007年4月12日 (木) 00時03分
皆様コメントありがとうございます。
>natu様
>2、3に関して
しばらく、お待ちください。たぶん週末には、続きを書けると思います。
>まーぷー様
相互リンクのお申し出、誠にありがたいのですが、当ブログは、長期投資を標榜している関係上、FXではなく、外貨MMFをおススメする方針です。
内藤先生は、FXをレバレッジゼロで使う手法を進めておられますが、私は、多少為替コストが高いですが、外貨MMFでよいと考えています。
したがいまして、誠に勝手ながら、FX、(貴ブログではありませんが)デイトレード、商品先物等の短期取引を想起させるタイトルがあるブログへのリンクはお断りしております。
申し訳ございませんが、相互リンクの件、お断りさせていただきたく。
決して、貴ブログの問題ではございません。私の勝手なわがままです。重ねてお詫び申し上げます。
バリュー株、成長株のバイ&ホールドは、許容範囲となっております。
投稿: NightWalker | 2007年4月13日 (金) 21時43分
NightWalkerさんこんばんわ。
NightWalkerさんのお気持ちわかりました。
私は自分の資産の3割近くをFXで運用してますので、確かにNightWalkerさんの考えるスタイルとは大分違いますよね。
それでも丁寧なお返事をいただいてありがとうございます。 NightWalkerさんのブログが大変人気があるのは内容の充実さも当然ですが、その真摯な人柄も一つの理由なんでしょうね。
私は運用もブログも今年から始めた初心者ですが、非常に勉強になりました。 ありがとうございます。
相互リンクのことはなしとゆーことですけど、これからもちょくちょくのぞかせてもらいます。
それではまた。
投稿: まーぷー | 2007年4月13日 (金) 23時03分