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2007年2月 1日 (木)

国債と金利の行方 国債保有残高、家計部門30兆円超

 1/31付け日経の朝刊に

     国債保有残高、家計部門30兆円超

 と言う報道がありました。日経によると、

  • 05年3月末から10兆円増の30兆435億円(06年9月末)。ゼロ金利政策の解除もあいまって投資妙味が増したことが増加の背景にある。
  • 金融機関は、533兆円(全体の79%)。01年9月末の91.4%に比べ低下傾向。民間部門の資金需要が出てきたので、わざわざ国債を買わなくてもすむ様になってきたせいらしい。

   整理すると、

  • 家計(アマ)は、国債を買うようになった。
  • 金融機関(プロ)は、国債を買わなくなった。

  国債の買い手といえば郵貯だったわけですが、ちょうど隣に囲み記事がありました。

   郵貯残高、190兆円割れ・12年ぶり

  郵便貯金残高は、1月29日時点で189兆8869億円。12年ぶりの190兆割れ。ピークの2000年12月15日には260兆7206億円だそうですから、えらい凋落振りです。投資信託や個人向国債に回っていることが背景にあるとのことです。

  郵貯と銀行や証券会社は、それぞれ事情が違うとは思います。しかし、、個人が国債を買って、プロは買わなくなってきている。なんとも、面白い構図です。ひょっとして裏がある?まさかね。

 私は、個人向国債は、金利がある程度上がるまで買わないことにしています。

 その金利ですが、今後3つのシナリオが考えられます。

  1. 上がらない(^^;)
  2. 少しずつ上がる
  3. しばらく、上がらず、あるとき急に上がる。

 私もそうですが、多くの人は、これまで、2のシナリオを想定していました。だって、福井総裁がそういう発言をしていたからです。

  この場合、変動金利型個人向国債が有利だと思います。少しずつ恩恵に蒙れます。1の場合は、固定金利型個人向国債でしょう。固定金利型は変動金利型より金利が高めです。

  さて、少なくとも私は、あんまり考えていなかった3の場合はどうでしょう。「しばらく上がらずあるとき急に上がる」というケース。

  おそらく、国債を発行している政府から見た場合、短期的には、このシナリオが一番うれしいはずです。金利が上がるまでの間、変動金利型国債の利払いは低いままです。

  その後、急に金利が上がった場合、今度は、固定金利型の人が損をします。相対的に低い金利の商品を中途換金できる2年先まで保有しなければならないからです。とくに金利が上がる直前に購入した人は、最悪です。

  2月になり、円高気味に為替は動きました。金利は、今月上がるのでしょうか。

 繰り返しになりますが、私は、金利がある程度上がってから、国債購入を検討する予定です。株式→短期債券→長期債券のサイクルでの資金運用がセオリーと澤上先生もおっしゃっているので、そうしたいと思っています。

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コメント

私の場合、すでに短期(MMFにネット預金)と長期(仕組預金や中期、個人向け国債)で分散して日本債券部分に投資していますので、これ以上動かす必要は特になくなっています。

それでも1ヶ月定期やMRFに貯蔵してある資金を、個人向け国債や変動金利定期、中期国債に振り向けるタイミングを探っていますが(苦笑)。

郵便貯金の残高が減って個人向け国債の残高が増えるというのも、ある意味妥当かもしれません。民営化に当たって他金融機関との差異が減り、利用するメリットが薄れていますし、間接金融が直接金融に代わった訳ですから、双方にとってメリットがある可能性も考えられます。

金利急上昇のパターンは、確かに一応想定に入れたほうがいいかも知れません。この場合最も妥当なのは、急上昇した段階で固定金利に預けることですから、個人向け国債10年(利払い前なら解約手数料は安く済む)、MMF、定額貯金の活用を考えるべきでしょうか。

投稿: 新幹線 | 2007年2月 2日 (金) 00時52分

新幹線様
 コメントありがとうございます。

>MMF、定額貯金の活用を考えるべきでしょうか。
 
 私は、MRFとの金利差が明確になった段階でMMFの活用を考えたいと思っております。

投稿: NightWalker | 2007年2月 2日 (金) 06時26分

NightWalkerさん、おはようございます。

株式→短期債券→長期債券のサイクルでの資金運用がセオリー
>>まさしく、僕はこれ以外は考えられません。

このサイクルを考えて株高のこの頃既に株式追加投資を一部の市場、セクターを除いて控えています。
さらに最近では短期債券を再考しています。
EURはMMFでも3%弱で今年度も政策金利を大幅に上げてくるでしょう。GBPのMMFは4.9%程です。USDも4.6%程でどっちに転ぶかよく分かりませんが僕自身、これらの通貨決済できる仕組みがあり使う予定もあり、個人的には為替リスクはあまり関係ありません。
こういう方はマイナーなのでしょうけど。。。
回りくどいですが短期金融資産もグローバルにみればそこそこですね。
これらの国の方は更なるリスクプレミアムを株で求めているのでしょうけど。

長期的には市場はかなり効率的で平均への回帰を信じるなら先のセオリーに従い、短期債券に今後資金を流していくべきなのでしょうね。

僕自身のCASH(決済できるので外国債券とはあまり考えていません)はUSD:EUR:GBP:JPN=2:1:1:1だっただりします。すべてMMF,MRFとすれば加重平均では3.44%ですね。
CASHがこのくらいがんばってくれると楽です。
すみません、まとまりの無いコメントになってしまいました。

投稿: 嶋田忠信 | 2007年2月 2日 (金) 07時02分

嶋田忠信様
 こんばんは(^^)。コメントありがとうございます。
 私の認識は、海外、株式→短期債券フェーズ、国内、株式ホールドフェーズと言う認識です。どうでしょう。

投稿: NightWalker | 2007年2月 3日 (土) 00時56分

NightWalkerさん

海外、株式→短期債券フェーズ、国内、株式ホールドフェーズ
>>僕も同じくです。国内株式クラスも短期債券フェイズに移行してくれるといいですね。
リターンはやや落ちますがなんだか短期債券って気楽でいいと最近思っています。

投稿: 嶋田忠信 | 2007年2月 3日 (土) 09時50分

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