原油と「とうもろこし」
商品取引はやらないことにしている私がなぜこんなことに興味を持ったかというと、来週月曜日店頭販売される日経ビジネス最新2007.1.22号(予約購読していると金曜日に来るんですね)にエタノールメジャーなる特集記事があったからなのです。記事は、ぜひ、読んでいただくとして、要は、バイオエタノールなんですね。
バイオエタノールの原料は、次の3つがあるそうです
- でんぷん質(とうもろこし等 アメリカはここ)
- 糖質(さとうきび等 ブラジル強し)
- セルロース(茎など)
ふーん、バイオエタノールの原料(とうもろこし)で、また、アメリカが一儲けですか、ですか。ビルゲイツがエタノール工場に投資しているそうですし、アメリカの国策としてバイオエタノールを推進しようとしているらしいし。CO2削減利権みたいな話もあるようですし。
気になるお値段ですが、サトウキビを原料とするブラジルでリッター約20円、とうもろこしから作るアメリカでは30数円程度。日本で生産した場合、100円を下回るのはかなり厳しい、そうです。
本当はセルロース系がもっとも生産効率(収率)がいいらしい。高効率好きのニホンジンとしては、投資するならセルロース系生産施設、ですかねえ。 とうもろこしは、素直にバーボンになっていただくとして(^^;)。
ところで、「バイオエタノールのことをぜんぜん知らないなあ」と思い、ちょっと調べてみました。
よくエタノールはCO2ゼロって言われてますがどういうことなんだろう。燃焼(酸化)するときにやっぱり出ちゃうはずです。
C2H6O + 3O2 → 3H2O + 2CO2
出ますね。
じゃあなぜ、CO2がゼロなんていっているかというと、原料が植物の場合は、育てている時に光合成でCO2を吸収しているからなんですね。式にすると
バイオエタノール燃焼(利用)時のCO2発生量
+ バイオエタノール生産時のCO2発生量
- 原料(植物)生産中のCO2吸収量
= たぶんゼロ(^^;)
ただ掘って来て燃やすだけの化石燃料とは違うと言うことですね。こいつが、サスティナビリティ ってやつですね。
最大の問題は、エタノール生産時のCO2発生。植物からエタノールを抽出する作業で発生するCO2の他、輸送時に発生するCO2などがあります。ここが多いと、CO2削減効果は減ります。
多く取り上げられるネガティブな論点を整理してみると、
- 生産する土地を確保するために森林伐採しては元も子もない。
- タンカーなどで原油をガンガン使って遠くまで輸送しては逆にCO2が増えちゃう
- エネルギーとしてではなく食用としてのとうもろこしが異常に値上がりしては困るのでは?(してます^^;!)
と言った具合でしょうか。
しかし、バイオエタノール 関連でググると、前向きなリンクが多いように思います。上記のような問題は、経済人、企業人として考えた場合、むしろポジティブかつチャレンジャブルな課題なんでしょう。環境問題解決(改善)も経済発展と結びつきそうな勢いです。資本主義のエネルギー、金儲けパワーおそるべし。
インデックスファンドは、バイオエタノール生産に寄与している企業にも投資している「はず」です。なにしろ全部に投資してますから。私の投資も知らぬ間にお役に立っているはずです。(寄与していない企業にも知らぬ間に投資しているんですが。)
なお、ニッポンのソーゴー商社さんも一儲けを狙ってますね。わかりやすい構図ですね。
コメント
はじめまして(^^)v バイオエタノールの記事に反応してしましましたf(^^;)
TBさせていただきましたのでヨロシクです♪
投稿: シン | 2007年2月 6日 (火) 07時17分
シン様
コメントありがとうございます。
こうなってくると、食用とうもろこしと、エタノールとうもろこしは、商品市場を分ける必要があるのではないかと思います。
投稿: NightWalker | 2007年2月 6日 (火) 20時21分