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2007年1月27日 (土)

マネックス資産設計ファンドのコスト

 さて、嶋田忠信様より、「「マネックス資産設計ファンド」のアセットアロケーションはどうでしょう?」というコメントを頂戴いたしました。島田様を始めとする投資ブロガーの皆様にとっては、釈迦に説法になってしまいますが、私の評価結果をご参考にお伝えします。(最近、計算表が出てこないなあ、とお嘆きの皆様、お待たせしました^^;)

  まず、「マネックス資産設計ファンド」のアセットアロケーションは、以下の通りです。

資産クラス 資産
配分
日本株式 21%
日本債券 22%
外国株式 15%
外国債券 20%
外国リート 7%
日本リート 15%

 さて、これに対抗して、同じ資産配分の仮想自前ファンドでポートフォリオを組むといかが相成るでしょうか?出走いたしますのは、以下の皆さんです。例によって、独断と偏見で決めさせていただきました。

資産クラス 投資対象
日本株式 1306 TOPIX連動型上場投資信託 (ETF)
日本債券 個人向国債
外国株式 ステートストリート外国株式インデックス
外国債券 年金積立インデックス外債(ヘッジなし)
外国リート DIAMワールドリートインカムオープン
日本リート DKA J-REITインデックスファンド

 まず信託報酬です。

信託報酬
資産クラス 資産
配分
信託
報酬
加重
平均
日本株式 21% 0.240% 0.0504%
日本債券 22% 0.000% 0.0000%
外国株式 15% 0.998% 0.1496%
外国債券 20% 0.704% 0.1407%
外国リート 7% 1.659% 0.1161%
日本リート 15% 0.683% 0.1024%
      0.5592%

 ポートフォリオ全体の信託報酬の加重平均は約0.56%です。

 0.9975%-0.5592%=0.4383%ほど、マネックス資産設計ファンドが割高です。

 次に、販売手数料です。

販売手数料
資産クラス 資産
配分
販売
手数料
加重
平均
日本株式 21% 0.11% 0.0221%
日本債券 22% 0.00% 0.0000%
外国株式 15% 0.00% 0.0000%
外国債券 20% 0.00% 0.0000%
外国リート 7% 2.10% 0.1470%
日本リート 15% 0.00% 0.0000%
      0.1691%

 ETFは、マネックス証券でケータイで買った場合の0.105%を早速採用しました。「ステート...」「年金積立...」はそれぞれ、カブドットコム証券、投信スーパーセンターでノーロードで買えます。「DKA.J-REIT...」は、カブドットコムでノーロードでした(タロットさんご指摘ありがとうございます)

 売買コストは片道約0.17%かかります。往復では約0.34%。従いまして0.34/0.4383= 約0.8年以上保有するのであれば、多少面倒でも自前で運用する方が有利と言う計算です。

  お疲れ様でした!!!!!

 上記の、資産配分では、外国リートが少ないこと、日本債券がある程度組み込まれてしまっていることで、本ファンドがコスト面で損をしている(すなわち証券会社側にとって微妙に有利な)ことがわかります。

 率直に言って、凡庸...いや、もう少しアグレッシブな(^^;)資産配分を期待したかったんですが、大衆向け商品の限界と言うべきでしょうか。

 なお、為替リスクの観点から外貨建て資産への基本配分は50%以下にします。と書かれています。これまた、評価の分かれるところでしょう。

 私の見解

  • 資産額が少額であれば、このファンドにも使い道がある。
  • 長期の保有資産額がある程度以上の場合は、できうる限りコストの低い商品を自分で組み合わせた方がお得感がある。
  • ただし、そのように考える人が、上記のような資産配分比率で組むことは直感的に少ないように思える(^^;)。

  いずれにせよ、必殺 自己責任 です。

  リターンの大部分はアセットアロケーションで決まると言われています。皆さんは、このアロケーションを採用しますか?

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コメント

お疲れさまでした!!
って、NightWalkerさん自分で言っちゃったよ(笑)

このマイルドなアロケーションは、自分好みではないものの、バランスがよく文句をつけにくいのもまた事実と感じます。

投稿: 水瀬 ケンイチ | 2007年1月27日 (土) 20時55分

水瀬様
 コメントありがとうございます。

>バランスがよく文句をつけにくいのもまた事実と感じます。
 仰るとおりでした。このアロケーションのバランスは絶妙。実際に計算してみると、リスクは低め、リターンは手堅いと言う結果が出ます。さすがプロ。

投稿: NightWalker | 2007年1月27日 (土) 21時33分

内容は合理的なものだが、コスト面で劣るという指摘には賛同します。

ノーロードにしたまでは良かったと思うのですが、組み替えコストを反映させた分、高めになってしまったのでは、と考えることもできますが、いずれにしろ自分で運用方針を考えたい人には、様々な意味(コスト、運用方針など)で不向きでしょう。

投稿: 新幹線 | 2007年1月27日 (土) 22時14分

新幹線様
 コメントありがとうございます。
 自分で運用方針を考えたい人にはそもそもバランスファンドは不要であるため、この商品を買うことはないでしょうね。私は、最低口数ベンチマーク買いをしてみましたが。

投稿: NightWalker | 2007年1月28日 (日) 07時23分

はじめまして!

購入者からするとアセットアロケーションに余分なコストを払っているわけで、購入者以外には見せるな!と文句の1つも言いたいところです(笑)
まあ、この場合も1単位買いをされたらそれで終わりなんですが。

このアロケーションのリターン、リスクはどのくらいになるのでしょうか?

投稿: AKI | 2007年1月28日 (日) 09時01分

AKI様
 はじめまして。コメントありがとうございます。

>購入者以外に見せるな!
 お気持ちわかります、ホントにそうですね。はっきりとはそう言わないまでも裏コピー品みたいなファンドが出回るようなことが、もしあったら....。商品開発サイドは、当然、織込み済みの要素なんでしょうけれども。こうなってくると、マネックスのブランド価値が勝負の決め手?バランスファンドにも、「ネームバリュー」の時代到来でしょうか(^^;)。はてさて。

>1単位買いをされたらそれで終わりなんですが
 すみません、しちゃいました(^^;)。

>このアロケーションのリターン、リスク
 ちょっとマイナーな統計データかもしれませんが、以前しゅうんさんに教えていただいた下記データ

http://www.kier.kyoto-u.ac.jp/fe-nomura/katou/05.06.14.pdf

  をもとに計算するとリターン4.64% リスク(標準偏差)7.36%でした。(このデータ日本株の期待リターンが低いので低めに出てしまいますが)
  同データで6資産に均等分散した場合を評価するとリターン5.02% リスク7.53%でした。
 また、基本4資産に均等分散した結果は、リターン4.40%リスク8.87%でした。

 REITに投資するとリスクは下がり、リターンも安定ということなんでしょうかね~。

 あ、ブログの記事にするようなネタを書いちゃった...(^^;)。

 この値は、私の計算によるもので、答えにまったく責任はもてませんのでご注意をお願いします。あくまで、ご参考に。

投稿: NightWalker | 2007年1月28日 (日) 10時02分

NightWalkerさん、こんにちは。

このファンドのアロケーションを見て「うまいっ」と唸りました。
パッと見て安心感を得られるものですね。実際計算してもリスクがかなり抑えられている。今の日本ならリターン4~5%は大いに受け入れられる。シャープレシオも0.6を軽く超える。
売り出す側としては色々宣伝文句があるわけですね。

でも実際は日本債券とREITがかなり入っていてここ数年のリターンは厳しいでしょうかね。

今後1年毎に行なわれるアセットアロケーションの見直しで真価が問われるものだろうと思います。そこに注目します。

追伸、僕がブログで出そうとしていたエクセルシートは既にNightWalkerさんがお年玉として出されていましたね。何故か、本日知りました。
僕のブログでも紹介させていただきます(自分のものよりきれいですので)。

投稿: 嶋田忠信 | 2007年1月28日 (日) 16時31分

嶋田忠信様
 コメントありがとうございます。
 すぐ、水瀬さんのブログに向かってください。
 私のお年玉なんかより(^^;)、ずっとすごいですよぉっ(^o^)!!!
http://randomwalker.blog19.fc2.com/blog-entry-402.html

投稿: NightWalker | 2007年1月28日 (日) 17時41分

ありがとうございました。
シャープレシオを見ると、6資産均等投資の方がいいような気もします。

資料は見させて頂きましたが、難しすぎてよくわかりませんでした(笑)
リターンリスクはリートだけではなく、オルタナティブ投資を組み入れると良くなると言った趣旨のレポートでしたね。

最近はヘッジファンドを購入される人も増えてきているそうですが、ヘッジファンドはどうなんでしょうね?

あと、ブログの方で紹介させて頂きました。
ご迷惑であれば削除いたしますのでご連絡下さい。

投稿: AKI | 2007年1月28日 (日) 18時12分

NightWalkerさん

タロットさんのはすごかった!!!
あんなにキレイに出来ていると今後のシュミレーションが楽しみです。
しかし、NightWalkerさん、タロットさんにしろ皆さん、あんないい物を公開して太っ腹ですね。感謝!

今後ともよろしくお願い致します。

投稿: 嶋田忠信 | 2007年1月28日 (日) 18時13分

皆さんに褒めていただいて恐縮です(^^;)

ところで、各所で「マネックスの資産設計ファンドは国内債券の比率が高いのでは?」という指摘が多いのですが、過去のデータ上からは、国内債券セクターは各資産との相関係数が低く、かつ(バブル期の恩恵が大きいのですが)シャープレシオが高いため、ある意味では非常に妥当なアセットアロケーションだと思っています。
(個人的には前述のとおり、国内債券の期待リターンは1%くらいがピンとくるのですが・・・)

投稿: タロット | 2007年1月28日 (日) 18時42分

皆様コメントありがとうございます。
>AKI様
 ご紹介の資料は、シート42だけをご覧になってください。他は、私もわかりません(^^;)。
 マネックス資産設計ファンドの期待リターンについては、条件を見直し、再計算。気合でエントリーを起こしました。こちらもご覧ください。

>嶋田忠信様
 喜んでいただけて幸いです。
 今後ともよろしくお願い致します。

>タロット様
 国内債券を組み込むことに皆さんが文句を言っているのは、その分、信託報酬で「損したような気」がするからではないでしょうか。
 国内債券は相関関係が低いのでパフォーマンス向上の観点から組み込むべきと言う意見は、まったくその通りだと思います。金利ゼロの円預金との単純リバランスですらボラティリティの大きい資産との組み合わせでは、成長していきますね。

http://nightwalker.cocolog-nifty.com/money/2006/12/__9ab8.html

 

投稿: NightWalker | 2007年1月28日 (日) 19時19分

AKI様
 ヘッジファンドは、見識がなく、よくわかりません。よって、投資していません。だいぶ前ですが、assetsさんのブログで取り上げられていました。 ご参考までに。

http://assets.blog54.fc2.com/blog-entry-77.html

投稿: NightWalker | 2007年1月28日 (日) 19時54分

勉強させて頂きありがとうございます。
今まで証券会社の言いなりに買っておりましたが、
反省しております。コストがいつも高いと思っておりました。・・・
安いのに少しずつ乗り換えたいと思いますが、アドバイスお願いします。日興の7つの卵の代わりになるものはどんな商品があるでしょうか?
お忙しいとは思いますがヨロシクお願いします。

投稿: ミッキー | 2007年1月29日 (月) 09時49分

ミッキー様
 日興の7つの卵の代わりの商品を買う前に、以下の推薦図書をご紹介しますので、もしお読みになっていないのであれば、ご一読をオススメします。とくに藤田さんの本は、ずばり何の投信を買うか、まで書いてあります。

 「藤田 郁雄:みんなの投資 投資信託でゆっくり確実に資産をつくろう!」
 「北村 慶: 貧乏人のデイトレ 金持ちのインベストメント―ノーベル賞学者とスイス人富豪に学ぶ智恵」
 「橘 玲:臆病者のための株入門 」

 全包囲網型バランスファンドということであれば、「マネックス資産設計ファンド」「野村世界6資産分散投信」などがあります。モーニングスターで、がんばって探してみてください。

投稿: NightWalker | 2007年1月29日 (月) 21時33分

お返事ありがとうございます。

頑張ってみます。

投稿: ミッキー | 2007年1月29日 (月) 22時04分

「DIAMワールドリートインカムオープン」は、イートレード証券で毎月積立で買うと、ノーロードですね。

投稿: nq | 2007年1月29日 (月) 22時19分

nq様
 コメントありがとうございます。
 そうですね。しばらく前に当ブログでも取り上げました。
 http://nightwalker.cocolog-nifty.com/money/2006/11/__2a32.html

 今回は、積立専用を前提にしないことにしました。ご了承ください。

投稿: NightWalker | 2007年1月29日 (月) 22時37分

そういえば、「DKA J-REITインデックスファンド」はカブドットコムでノーロードで買えますね。
積立専用じゃなく。

投稿: タロット | 2007年1月30日 (火) 23時50分

タロット様
 ご指摘ありがとうございます。
 さっそく、記事を修正しました。
 これで、売買往復で0.8年、長期保有前提に片道とすると0.4年(5ヶ月くらい)で回収できるってこと...になりますね(^^;)。あらら。

投稿: NightWalker | 2007年1月31日 (水) 06時29分

先日、上記コメント欄でご紹介いただいた「効率的フロンティア計算シート」をバージョンアップし、本日から僕のブログで公開しています。
興味ある方は、ぜひお試しください!
http://tarot-mpt.cocolog-nifty.com/blog/2007/02/_ver110_a933.html

投稿: タロット | 2007年2月 2日 (金) 21時20分

タロット様
 お疲れ様でした!!!!!!!!!!!
 活用させていただきます!

投稿: NightWalker | 2007年2月 3日 (土) 01時14分

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» マネックス資産設計ファンドが発売されたようですね。 [rennyの備忘録]
先日ご紹介したマネックス資産設計ファンドが先週末、発売を開始したようです。 資産配分については、このファンドの運用を担当するDIAMが次のように発表しています。 http://www.diam.co.jp/ICSFiles/afieldfile/2007/01/26/1_070126.pdf リスクを抑えるためでしょうか、日本債券のウエートが気持ち多めかなという印象を受けます。 このファンドについては以下のリンクで詳しく説明されています。(皆さん、特にコストへの注目が高いようです。) マネ... [続きを読む]

受信: 2007年1月28日 (日) 08時29分

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受信: 2007年1月31日 (水) 15時26分

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