マネックス資産設計ファンドのアセットアロケーション
前回のエントリーでは、マネックス資産設計ファンドのコストを見てみました。
その間にも、相互リンクいただいている皆様の間では、なにやらアセットアロケーションで盛り上がっていますし、AKIさんからは、リスクリターンが知りたい旨、コメントをいただいたりしています。
- ポートフォリオの期待リターンとリスクを数値で把握する(梅屋敷商店街のランダム・ウォーカー ) (タロットさんのExcelフォーマットには脱帽しました。シャッポを脱いじゃいます。私の計算シートなど足元にも及びません)
- ポートフォリオを考える(1)(医師による医師・小金持ちのための資産運用・活用法 〜忙しい小金持ちのために〜)
そこで、手元のデータで、マネックス資産設計ファンドのリスク・リターンを計算してみることにしました。
【前提】
- 相関係数、標準偏差は、野村證券金融工学研究センターのデータ(シート42)によります。
(しゅうんさんに教えていただきました。) - リスクフリーレートは1.8%としてシャープレシオを計算。
- 期待リターンは、以下 に修正して計算。
資産 | 期待 収益率 |
日本株式 | 6.0% |
日本債券 | 1.0% |
外国株式 | 7.0% |
外国債券 | 4.0% |
日本REIT | 6.0% |
外国REIT | 5.0% |
AKIさんのコメントに対する計算とは、期待リターンを変更しました。感覚的に実態に近くなるように修正。
【結果】
パターン | 1 | 2 | 3 | 4 | |
資産 配分 |
日本株式 | 21% | 17% | 25% | 100% |
日本債券 | 22% | 17% | 25% | 0% | |
外国株式 | 15% | 17% | 25% | 0% | |
外国債券 | 20% | 17% | 25% | 0% | |
日本リート | 15% | 17% | 0% | 0% | |
海外リート | 7% | 17% | 0% | 0% | |
期待収益率 | 4.58% | 4.83% | 4.50% | 6.00% | |
リスク(標準偏差) | 7.36% | 7.53% | 8.87% | 19.83% | |
シャープ・レシオ | 0.3778 | 0.4027 | 0.3045 | 0.2118 |
- パターン1 マネックス資産設計ファンド
- パターン2 6資産均等分散
- パターン3 基本4資産均等分散
- パターン4 日本株だけ
(注)上記は、あくまでご参考です。資産配分の優劣を決めているものではありません。計算の不備、もととなる相関係数などのデータも常に変化していますし、計算条件も異なります。ご注意ください。
私の結論:このファンドは、なんだかとっても良いファンドです。
誰も比べていませんが、さわかみファンドの信託報酬が、1.05%であることを考えるとこの優位性が良くわかると思います。さわかみファンドは、ご存知のように実は国際株式型であり、本来どこの国の何にでも投資できるファンドです。マネックス資産設計ファンドのような組成をすることも可能です。しかし、実質は日本株ファンドです。コストのかかる海外投資を半分近く組み込んでいることを考慮するとマネックス資産設計ファンドは、安いと言われるさわかみファンドよりも、更にコスト・リーズナブルと言えるのではないでしょうか?
しかも、マネックス資産設計ファンドは、アセットアロケーションを定期的に見直すファンドです。アクティブ・インデックスファンドとでも言うんでしょうか?そのコストも含まれています。
もちろん、6資産ファンド等のバランスファンドは、他にもたくさんあります。ぜひ、見比べてみてください。(私は疲れましたが...^^;)
また、ここから、私が学んだことは、リートは計算上、重要な資産である、ということです。組み込むことでポートフォリオのリスクを低減させる効果がありそうです。上記は、あくまで、シロート計算の結果ですが、プロもしっかり日本リートを思ったより多めに組み込んでいるので、たぶん、その傾向があるのでしょう。
イボットソン・アソシエイツ・ジャパンさんのデータが、ものすご~く欲しいですが、内藤さんの本、p199のコラムに書いてあるように、データベース構築のコストは大きく、そう簡単に手に入れられるようなしろものじゃなさそうです。ファンド資産配分を公開していただいただけでも、ありがたいお話と思っております。
次回は、上記を踏まえて、以前検討した母のポートフォリオを再々見直ししたお話をしたいと思います。
また、しつこいようですが、本記事は、あくまで私が計算したものです。個人の責任において、ご参照ください。実際の投資は、自己責任でよろしくお願い致します。
コメント
リターンが若干低下したようですが微々たるものですね。
今回でも6資産均等の方がシャープレシオは高いですね。単純に6資産均等が良いのでは?と思うのは素人だからでしょうか???
投稿: AKI | 2007年1月28日 (日) 19時46分
書き忘れました。
よければ相互リンクをお願いしたいのですが、如何でしょうか?
投稿: AKI | 2007年1月28日 (日) 19時51分
AKI様
コメントありがとうございます。
6資産均等分散の方が、良くなっているのは、元となる資産の統計データが異なるためかもしれません。イボットソンさんのデータでは、計算結果が違うのだと思います。たぶん(笑)。
また、必ずしもシャープレシオが最大のポートフォリオが正解と言うわけではなく、リスクの許容度をどの辺におくか?と言うことでも変わってきます。
更に各資産の相関関係や標準偏差は、日々変わっていきます。これらの結果は、「過去そうだった」という性質のものであって、「未来もそうなる」とは限りません。
信ずるものは救われる...で、何を信じるか?この辺が、「自己責任」なんですね(^^;)。弱っちゃいますね。
相互リンクのお申し出、まことにありがとうございます。早速、リンクさせていただきました。
投稿: NightWalker | 2007年1月28日 (日) 20時16分
相互リンク、ありがとうございました。
こちらもリンクしましたので、ご確認下さい。
ファンドに掲載されていた資料でも、今回のアセットアロケーションよりも、均等分散の方がリターンが良いんです。それにさらにこのエントリだったもので、均等分散の方が良いじゃないか、と思ったんですよね。
イボットソンの方では計算結果が違うんでしょうね。
リターンやリスク、相関係数は過去のものであって、未来を保障するものではない点は理解しています。アクティブのバリュー投資も同じですから。
投稿: AKI | 2007年1月29日 (月) 00時11分