中央三井外国債券インデックスファンドの売買コストを考える
中央三井外国債券インデックスファンドは、現在個人投資家が買える唯一といっていいまっとーな外国債券インデックスファンドです。コストは、以下の通りとなっています。
- 販売手数料:1.05%(ソニーバンクの場合、中央三井信託銀行では2.1%)
- 信託報酬:0.735%
- 信託留保:0.1%
売買コストは1.05+0.1=1.15%です。
この売買コストが気になって、購入に躊躇している方も多いと思います。私自身もそう思っていたこともあったのですが、以下のように考えることで納得して購入しました。
この販売手数料は、ちょい高の為替手数料である、と考えることにしたのです。それに比べれば、この保有コストの低さは、今の日本の投資状況では貴重な存在だと。
では、為替コストは、いったいいくらかかったものと考えれば良いでしょうか?考察してみました。
以下は、平成18年11月現在マネックス証券の為替レートから、計算した各通貨の料率です。
通貨 | 手数料 | 往復 | レート | 料率 |
米ドル | 25銭 | 50銭 | 118円 | 0.42% |
ユーロ | 50銭 | 100銭 | 151円 | 0.66% |
豪ドル | 70銭 | 140銭 | 90円 | 1.56% |
ニュージーランドドル | 70銭 | 140銭 | 78円 | 1.79% |
英ポンド | 70銭 | 140銭 | 223円 | 0.63% |
手数料換算すると0.42~1.79%です。実は結構かかっているんですね。
さて次に、2006年2月の中央三井外国債券インデックスファンドの運用報告書から、通貨区分別の投資割合を調べてみました。米ドル27.3%、ユーロ建54.7%、英ポンド建6.8%、その他通貨建11.2%、計100%の割合でした。米ドル・ユーロ・英ポンド以外の料率をえいっと1.5%にしてしまい、前述マネックス証券の為替手数料をベースにトータルの為替手数料を加重平均して計算してみると、以下の表の通りになりました。
通貨 | 料率 | 組入 比率 |
加重 平均 |
米ドル建て | 0.42% | 27.3% | 0.12% |
ユーロ建て | 0.66% | 54.7% | 0.36% |
英ポンド建て | 0.63% | 6.8% | 0.04% |
上記以外 | 1.50% | 11.2% | 0.17% |
0.69% |
中央三井外国債券インデックスファンドは円建てですので為替手数料はかかっていないですが、実際には外国債券を購入しているので為替手数料がかかっていると仮定します。その場合、料率は0.69%がかかっていることになります。販売手数料1.05%のうち0.69%が、その成分だとすれば、こじ付けではありますが、ソニーバンクさんの場合、かなり良心的な手数料ではないかと思えるのです。
もちろん、為替手数料は実際にはそんなに発生していません。同ファンドは、2006年2月期末基準価額15,464円のうち、信託報酬 109円 委託手数料 1円 保管管理 6円 =費用計116円、と現在の日本の投信の中ではたいへんローコストで管理されておりますが、このどこに為替手数料がかかっているのでしょうか?
運用報告書から読み取れるところでは、おそらく委託手数料1円の部分です。大量の通貨を取引するプロの世界では、為替手数料はただ同然のようですね。
もともと、個人投資家はガッポリ?為替手数料を取られているわけです。ですから、先の0.69%分お得という話は本当はウソですが、外国証券ならシブシブ為替手数料を支払っているのです。それを踏まえた上での仮定の話です。
更に大手の証券会社の為替料率で中央三井外国債券インデックスファンドの為替料率を計算してみた結果を下記に示します。米ドル・ユーロ・英ポンド以外の料率をえいっと2.0%にしてしまいました。
通貨 | 往復 | 料率 | 組入 比率 |
加重 |
米ドル建て | 100銭 | 0.85% | 27.3% | 0.23% |
ユーロ建て | 150銭 | 0.99% | 54.7% | 0.54% |
英ポンド建て | 200銭 | 0.90% | 6.8% | 0.06% |
上記以外 | 200銭 | 2.00% | 11.2% | 0.22% |
1.06% |
なんと1.06%です。
もし中央三井外国債券インデックスファンドを、外国債券で通貨別にバラバラに取り揃えたとすると(実際には買えない債券ばかりですが)、1.06%の為替コストが発生してしまうことになります。それに対して、ソニーバンクで買えば、販売手数料1.05%。
どうでしょうか?
というわけで、私は、ソニーバンクで中央三井外国債券インデックスファンドを買っています。
これまた優良ファンド、中央三井外国株式インデックスファンドと信託留保はかかりますがスイッチングも出来ます。これも長期投資家にとっては、重要なポイントではないでしょうか。
コメント
私も中央三井外国債券インデックスファンドを買っています。他に債券のインデックスファンドの選択肢がないんですよね。
ところで、コメントの内容を書く欄が非常に狭くなっています。改善お願いします。
投稿: HZ | 2006年11月20日 (月) 20時27分
HZ様
コメントありがとうございます。
外国債券は、毎月分配型ばっかり人気ですから、インデックスファンドは、なかなか出てきませんね。
コメント欄の件、ご指摘ありがとうございますm(__)m。CSSをいじっていて、へんてこになっちゃったみたいです。早速、修正致します。
投稿: NightWalker | 2006年11月20日 (月) 20時45分