日本株式に対するドルコスト法のお話
前エントリー「日本株式の長期リターン (1)~(3)」のおまけ、というか副産物です。
もし、ずーーっと、日本株式に定額積立すなわちドルコストを続けていたらどうなったのでしょうか?1949-2006(途中)の日経平均の表を使って計算してみました。
~2005積立期間→ |
5年 | 10年 | 20年 | 30年 | 40年 | 50年 |
ドルコスト 収益率 |
7.18% | 1.84% | 0.01% | 1.31% | 2.77% | 3.78% |
一括 |
3.17% | -2.07% | 1.03% | 4.45% | 6.26% | 7.54% |
※10/31 計算間違い(まだ途中の2006まで計算してましたスミマセン) および転写ミスを修正しました。
あたりまえですが、値下がり局面にはドルコストが強く、値上がり局面では一括購入が有利なんですね。「出来る限り株価が安い局面に」、「貯め込んだ資金で一気にどーーんと買って」、「長く待つ」のが良いわけです....それが出来たら苦労しないんですけどね(^^;)。
前エントリーや本エントリーで計算に使った株価には、インフレ調整が入っていません。(シロートの限界を超えました) リターンは、その分を差っ引かないと本当はいけません。ということで、上記はあくまでご参考です。
インフレとは、言ってみれば、昔は給料が安かった、ということです。ドルコスト法の場合、昔は月に1万円の積立だって苦しかったはずです。ずっと同じ金額を積立て続けると言うのは現実にはありえません。最近はデフレなんで、みんな(私も)インフレを忘れてしまってますが。
というわけで、昔は、どのくらい給料が安かったか、というのも調べてみましたので、ご参考に。(昭和51年以前はネットに落ちていた出所不明の情報、昭和51年以降は、厚生労働省のデータです)
1961年より前は、わかりません。
年 | 大卒初任給 |
1961 | 15,700 |
1962 | 17,800 |
1963 | 19,400 |
1964 | 21,200 |
1965 | 23,000 |
1966 | 24,900 |
1967 | 26,200 |
1968 | 29,100 |
1969 | 32,400 |
1970 | 37,400 |
1971 | 43,000 |
1972 | 49,900 |
1973 | 57,000 |
1974 | 67,400 |
1975 | 83,600 |
1976 | 94,300 |
1977 | 101,000 |
1978 | 105,500 |
1979 | 109,500 |
1980 | 114,500 |
1981 | 120,800 |
1982 | 127,200 |
1983 | 132,200 |
1984 | 135,800 |
1985 | 140,000 |
1986 | 144,500 |
1987 | 148,200 |
1988 | 153,100 |
1989 | 160,900 |
1990 | 169,900 |
1991 | 179,400 |
1992 | 186,900 |
1993 | 190,300 |
1994 | 192,400 |
1995 | 194,200 |
1996 | 193,200 |
1997 | 193,900 |
1998 | 195,500 |
1999 | 196,600 |
2000 | 196,900 |
2001 | 198,300 |
2002 | 198,500 |
2003 | 201,300 |
2004 | 198,300 |
2005 | 196,700 |
昔は安かったですね~。月々1万円積み立てたら、給料なくなっちゃいます。
上昇率も計算してみました。
初任給の上昇率(年率) ~2005 | |||
10年 |
20年 |
30年 |
40年 |
0.13% | 1.71% | 2.89% | 5.51% |
初任給がインフレに連動していたとしたら、まあ、こんなものだということなんでしょう。
では、もっと現実的に給料の5~10%程度を40年(今年あたりリタイヤする皆さんを想定)積み立て続けたら、どうなったんでしょうか?
...と考えましたが、今日のところは、力尽きました...(^^;)。
計算魂(爆)が再び復活したら、やってみたいと思います。来週末には復活の予定です。
コメント
こんばんは。
計算ご苦労様です。長期でドルコストした場合のデータは見たことなかったので、大変参考になりました。
ドルコスト法は確実にリスクを軽減する効果があるようですね。
ただ、読んでて気付いたんですが、ちょっと疑問があります。このシミュレーションでは、どういう条件で計算をされましたか?
もしかしたら、例えば、50年の場合で、毎年1万円ずつドルコストで購入、といったパターンと、50年前に50万円一括購入といったパターンで比べていませんか?
そうだとすると、インフレがあるので、年数が長くなればなるほど、一括購入のほうが有利になってしまうと思います。
投稿: なおき | 2006年10月29日 (日) 22時20分
なおき様
コメントありがとうございます。
計算方法及びインフレの件、ご指摘の通りです。エントリー中にもちょこっと書いたとおりです。リターンをインフレ分、差し引かないといけませんが、これは、経済の専門家でないとちょっと厳しいものが...ごめんなさい。インフレ率のデータが見つかったら、再チャレンジしたいと思います。気長にお待ちいただければ幸いです。(本当は、まっとうな経済学の先生がやってくれるとうれしいんですが)
投稿: NightWalker | 2006年10月29日 (日) 22時30分
了解です。やっぱりインフレが絡んでくると計算こんがらがりますよね。
ところで、自分も微力ながら協力したいと思って、消費者物価指数のヒストリカルデータを探してきました。
http://www.stat.go.jp/data/cpi/1.htm
ここにありました。
投稿: なおき | 2006年10月29日 (日) 22時59分
なおき様
消費者物価指数の件、ありがとうございます。
長い目で見守っていただければ、と(^^;)。
投稿: NightWalker | 2006年10月29日 (日) 23時18分