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2006年10月 4日 (水)

合理的な投資

 ちょっと前の発刊になりますが臆病者のための株入門という本があります。この中にファイナンス理論からみてリスクに対するリターンが最も効率的な投資法として「世界市場ポートフォリオ」なるものが紹介されています。

 どういうものかというと...

 

  • 世界市場全体に投資する。
  • 各市場の株式の時価総額比でインデックスに投資する。
  • その比は、2005年末で、米国50%、日本15%、ロンドン15%、ヨーロッパ市場15%、その他5%である。
  • 為替リスクは長期的には回避される。

 そして、この投資方法を最も簡単に実現する方法が、MSCIコクサイ・インデックスファンド85%、TOPIXインデックスファンド15%で買うことです。

 合理的です。たった2種類のファンドを買えばよいのですから。私のオススメで言えば、中央三井外国株式インデックスファンド85% とインデックスファンドTSP 15%だけで完成。

 効率的です。合理的ではあります。が、しかし。

 それでいいんでしょうか?

 私にとっての答えが、同書の中にありました。

 あとがきの一番最後に著者の橘玲氏は、こう書いています。

最後にお断りしておくと、私自身はここで述べたような「合理的な投資法」を実践しているわけではない。ひとには、正しくないことをする自由もあるからだ。

 大いに共感しました。その通りです。合理的なだけの人生など意味はありません。そして、人生は、まさに投資です。旅行に行って散財(見聞)するのも、あやしいファンドを買ってみたりするのも勉強であり、自分への投資です。

 私もあのファンドが良いとか悪いとか、という記事を書いたりもしておりますが、よそ様のどういう投資も否定はしません。インデックスファンドの優位性が成立するのは、非インデックスファンドの投資家がいるからであります。その恩恵を受けるだけの人もいれば、そうでない人もいます。

 一方で、橘氏の言葉を借りれば、ひとには、合理的なこと(ばかり)をする自由もあります。どの自由を選ぶかは、本人次第であり、他人がとやかく言うことではないわけですが、人間と言うのは、ついつい、自分が正しい、と意見を押し付けたくなるものですね。

 というわけで、私は、インデックスファンドを買う一方で、アクティブファンドも買い、グローバルリートも個別株にも投資をしております(トレーディングはしませんが)。はたまた、米国を買い、欧州の小型株ファンドを買い、個別株の銘柄分散比率が1:10みたいなこともしてみたりするのでありました。

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コメント

私も橘氏の本に共感を持った一人です。日本株だ、エマージングだ、と言っても、時価総額で言えば世界の半分はアメリカなんだ、というのを読んでアメリカ株を大幅に増やしました。いまのところ、順調に上がっています。
合理的な判断とは何かを知った上でリスクを取るのは結構なことだと思います。私も中国株(H株ETF)でアップショットをねらっています。

投稿: HZ | 2006年10月 7日 (土) 11時01分

HZさま
 コメントありがとうございます。
 アメリカ株...順調ですね。敗者のゲームに書かれている「稲妻が輝く瞬間に市場に居合わせなければならない」と言う言葉を教訓にしております。「持ってて良かった米国株」と思っております。

投稿: NightWalker | 2006年10月 7日 (土) 17時53分

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橘玲先生は人的資本について非常に深く考えています。年収500万だとしたら毎年500万の利払いのある債券と同じ。定年まで30年あるとしたら1.5億円の現在価値があります。(計算は直感的なもので、昇給やインフレや金利は無視しています)。 サラリーマンの給料は..... [続きを読む]

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