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2006年10月22日 (日)

方程式 PBR=PER×ROE

 今回は、私自身のお勉強コーナーです。

 株価を評価する重要な指標として、PBR,PER,ROEがあります。

  PBR = 株価/1株あたりの純資産

  PER = 株価/1株あたりの純利益

  ROE = 1株あたりの純利益/1株あたりの純資産

 ということは、この3つの指標の間には、以下の関係が成立します。

   PBR = PER × ROE

 PER(株価/1株あたりの純利益)× ROE(1株あたりの純利益/1株あたりの純資産) を計算すると....(株価/1株あたりの純資産)っと、あ、本当だ。

 ROE = 当期利益/期首期末平均株主資本 と言う定義もありましたので、この場合、上記方程式に実際の値を当てはめると、答えが違うみたいです。)

  銘柄あるいは投資する市場(例えば米国株式)を選ぶ時、割安と判断する基準として、PERやPBRを使うのがセオリーです。PBRとPERが低い投資先を選ぼう、と。でも、できれば、利益率も高い方が良いですよね。

銘柄 PER PBR ROE
秀英予備校 8.9倍 0.88倍 12.22%
日産車体 6.4倍 0.88倍 18.05%
佐藤商事 9.8倍 0.88倍 13.82%

 上記はご参考までに、2006年10月20日現在、PER 15倍以下、PBR 1倍以下、ROE 10%以上という厳しいスクリーニングを通過した東証一部銘柄のみなさんです。

  PBR = PER × ROE と言う方程式は、それらが、結構、複雑に絡み合っていることを示しています。

 さて、お勉強材料は、好業績銘柄の代表と言っていいトヨタです。ちょっと古いニュースですがこの記事によると、

 通期連結決算の見通しは,売上高が22兆3000億円,営業利益が1兆9000億円,純利益が1兆3000億円で,期首の発表から変更はない。記事冒頭にある鈴木氏の発言の通り,通期の営業利益2兆円を達成しそうな勢いだが,まだ第1四半期の決算が出たばかりということもあり,上方修正には慎重な姿勢を見せた。

 です。

  トヨタの2006年3月期 1株当り当期利益は連結で421.76円です(すごいですねー)。1株当り株主資本は3257.63円です。株価は、10/20付け終値6,680円です。

 PER = 6,680円/421.76円  = 16.31倍
 PBR =   6,680円/3257.63円  =  2.11倍

 ここで、円安なんかも進んで、トヨタの予想利益がドカーンと2割増益、1株当り予想利益が500円になったとしましょう。

 すると PER = 6,680円/500円  = 13.76倍

 で、「こいつは割安だ」とミスター・マーケットが判断し、株価が8,000円に上昇したとします。

 となると、PER = 8,000円/500円 = 16.0倍 です。

 一方で、PBRは、 8000円/3257.63円  =  2.46倍 と少し割高になってしまいます。

 これを修正するためには、株主資本を増やさないといけません。経営判断ということになるわけですが、儲かった分、株主資本を増やせば、PBRは下がります。が、ROEも、その影響で下がります。

  以上は、個別銘柄の例でしたが、市場全体の場合はどうなんでしょうか。2006年現在、米国株式は、PER16倍、PBR3倍程度とのことです(米国株のPER,PBRを調べるサイトがわからないのでTVの報道をそのまま聞き伝えです)。日本市場は、2006年10月現在、PER20倍、PBR2倍です。

  ちょっと、この「差」に着眼してみます。米国に比べ、日本のPERは高めでPBRは低めです。これを同じにするにはどうしたらよいのでしょうか?(当然、同じが正しいと言う意味ではありませんが。)

  ミスター・マーケットが単純に株価に目をつけたとします。日本がPERから見て、割高ということで日本の株価が下落します。すると、PERもPBRも低下します。PBRの日米差が大きくなります。うまくいきませんね。逆にPBRから見て割安、と判断すると株価が上がりますが、PERは大きくなります。やっぱりうまくいきません。

  日本が、米国市場並みの指標になるには、PERを下げる一方でROEを向上させ、結果PBRを上げればよいということでしょうか。このためには、

  1. 1株あたりの利益を増やす。
  2. 1株あたりの純資産を相対的に減らす。

  と、PERは下がり、ROEは上がります。PBRも上がります。このためには

  1. 企業ががんばって、利益を増やす。
  2. 経営努力により、純資産の無駄をなくす。
  3. 自社株買いなどで発行株式数を減らす。

 などの方策があります。

 日本企業は、この辺の株価政策というか経営が、米国に比べて、まだまだと言うことでしょうか。もしそうだとすれば、優秀な経営者が育てば、まだまだ、日本市場は、いけますね。本当?

  うーーーん、難しいですね。この意味がわかると、今、日本株に投資すべきか、米国株に投資すべきか、どっちもだめなのか、そもそも、そんなことを考えるのがナンセンス(=わかったら苦労しない)なのか、わかりそうな気がするんです。

 残念です。私にはわかりません(^^;)。しかし、わかったフリをして、両市場のインデックスファンドを保有し続けるのでした。

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