長期投資の長い道 - ドルコスト法を止める時
ドルコスト法のメリット、デメリットについては、いろいろなところで評されています。
メリットは少額から積み立て可能なことと買い付け価格の平準化効果があることです。デメリットは、長い下落相場では損するし上昇場面では高くなっても買い付けてしまうのでやっぱり損、というような主張であります。おおむね、売り手(証券会社)はドルコスト法のメリットを強調し、買手(投機家)はデメリットを主張するように見えます。中立的かつ良心的な識者は、ドルコスト法は、得でも損でもない、という意見です。
では、どうすればよいのか、迷ってしまいますが、考えてみました。
結論は、貧乏人はドルコストで積み立て、金持ちになったら止める、です。
いつやめるかというと、積立金額の全体の資産に与える影響力が低下した時です。資産から得られる収益が大きくなって、年間のドルコスト積み立て額をオーバーする程度にお金持ちになった場合には、いまさら、ちまちま月々積立せず、安くなったら買う、高い時は短期債で運用するという作戦がとりやすくなります。高い時に無理に積み立てる必要はなくなりますし、安い時には、まとめ買いが出来ます。
つまり、資産総額が少ない(貧乏な)うちはデメリットを相殺するような魅力がドルコスト法にありますが、資産総額が多くなれば(お金持ちになれば)ドルコスト法のメリットは薄れるという、意見です。
試算してみると、 年間収益5%で積み立て続けた場合、14年目に(資産総額から得られる収益額)>(年間積み立て額)になることがわかりました。14年と言うのは、いい線ですね。新卒で入社したサラリーマンなら、30代後半というところでひとつの区切りが来ます。しかし、ここで、うっかり、マイホームを買って、積み立てた資産を使ってしまえば、また最初からです。さらに14年。50歳になっちゃいます。そのころには、子供が進学して...って、早い話、労働者は、一生ちまちま、働けってことですね。
また、収入が減った時や、リタイヤした後にも、上記方程式はあっさりくずれます。
ドルコストの道、う~ん、たいへん、険しいです。
というわけで、お金持ちにはドルコストなんて多分不要、です。
私にも、早く、ドルコスト法が不要と思える日が来て欲しいものです。旅は長いです。
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