私が個人向け国債を買いたくない理由
私は個人向け国債を買っていません。この商品、好条件ではあります。長期の定期預金にするくらいなら、よっぽどましだとは思います。でも買っていません。
この理由は、二つあります。
第一の理由は、金利がまだ低いからです。
少なくとも政府が目標としている経済成長率(2~3%?)より高い金利まで長期金利が上昇しない限り、投資商品としてリーズナブルとは私には思えません。我々は金利の低い人生を長いこと歩んできていますので、1%でも相対的に高く感じる人も多いでしょう。しかし、まだ低い、という気がする。
第二の理由は、この好条件の原資がどこから出ているのか?と言うことに対する疑念からです。
最近、個人向け国債を買うと、0.1~0.3%程度商品券などでバックしてくれるキャンペーンがあります。
この原資はいったいどこから来るのでしょうか?国は、販売金融機関に販売額100円につき50銭の「募集発行事務手数料」を払います。すなわち、金融機関は、個人向け国債を売れば売っただけ、0.5%の販売手数料をもらえるわけです。おそらく、この手数料がキャンペーンの原資になっているものと思われます。メーカーの販促金を原資にして値引きする家電ディスカウント店の手法です。
ところで、この「募集発行事務手数料」、いったい、どこから出てくるのでしょうか?
ひょっとして、税金?
また、有利と言われている個人向け変動金利型国債の金利は、10年国債の金利マイナス0.8%です。要は、ナマの10年もの国債を買ったよりも、0.8%は持っていかれるわけです。投信で言ったら、信託報酬0.8%のようなものです。もし、金利が上がらなかったら損します。しかし、金利が上がれば得をする可能性もあります。得をする場合、新規の国債発行で生ずる新しい利ざやを自転車操業するのでなければ、その差額を誰が埋めるのでしょうか?
ひょっとして、税金?
この疑念が消えない限り、ちょっと個人向け国債を買う気がしません。
まあ、逆に言えば、買わなきゃ税金持っていかれるだけともいえるかもしれませんし、もともと、国債や地方債は税金があっての話で、いまに始まったことではないのですけれど。
コメント
疑念も何も、国債の利払いや償還、販売手数料等の原資はすべて税金です。個人向け国債のキャンペーンCMに出演している女優のギャラだって税金ですよ。
何せ日本は先進国で最大の借金大国。現在でも借金をして(新たに国債を発行して)国債の利払いや償還に宛てています。だから政府は金利上昇をイヤがるんですよね。長期金利が上がれば国債の金利も上がり、税収が逼迫するので。
とはいえ、私は個人向け国債、けっこう買っています。実質的な元本保証でこれ以上有利な金融商品はありませんから。
投稿: 空色 | 2006年9月25日 (月) 01時04分
空色さま
コメントありがとうございます。
なるほど、やっぱり税金ですね。
私が国債を買わないのは、金利がまだ低い、ということが、かなりウェイトを占めてます。
投稿: NightWalker | 2006年9月25日 (月) 06時17分